1.18.2019

[film] Way Out West (1937)

出張でモスクワ - 現地滞在約20時間 – に行っていた。クリスマスのイルミネーションがまだがんがんできれいだったけど、マフラーも手袋も持っていってなくて凍え死ぬかとおもった。

13日のお昼、BFIで見ました。 ここでは彼らの評伝映画”Stan & Ollie”の公開に合わせて、Laurel & Hardyの特集をやっていて、ぜんぜん行けていないのだがせめてこれくらいはいかなきゃ、と。

日曜日の昼で、家族にお勧めマークのあった回なのでBFIの一番大きいシアター(450人)がほぼ埋まっていた。それにしても、1937年作と1930年作の二本立ての上映に子供や赤ん坊も含めてこんなにわいわい集まるなんて、なんかいいよね。

Laurel & Hardyの映画は昨年のコメディ特集から”A Chump at Oxford” (1940)とか見ていて、おもしろいねえ、なのだがちゃんと追えていないのは、こういう特集とかでじっくり見ていく、というより、昔の人が寄席に立ち寄ってけらけら笑って、さーっと去る、そんなふうに見たいなあと思っているからで、でももうそんな粋なことできないからさ。

どの回も60分くらいの中編と30分くらいの短編の組合せの二本立てで、この日は続けて2回、計4本みた。

Laughing Gravy (1930)

31分。 寒い雪の晩、ボロ屋の2階の貸間に2人と飼ってはいけない犬のLaughing Gravyがいて、Stanのしゃっくりみたいな寝息でOllieも犬も眠れないでじたばた騒がしいので大家も起きてきて、やはりそのうち犬を飼っているのがばれて、追いだされては戻り、布団に戻っては起こされを繰り返すうちに家はぼろぼろになって出てけー、になってそんなときに遺産相続の手紙がきて。

やってはいけないことを押さえこめずに結果ぜんぶ台無しになって、でも最後に逆転、という古典的なパターンだし、どうなるかもだいたいわかるのになんでこんなにおかしいのか。

Way Out West (1937)

問答無用の古典。65分。 やくざな歌手のLoraと生真面目な下働きのMaryがいるMickey Finnの酒場があって、ラバを引いたふたりが現れて(ここに来るまでにもいろいろある)、彼らは亡くなったMaryの父が彼女にあてた金鉱の証書を持ってきたのだが、悪賢いLolaとMickeyがなりすましでそれをふんだくって、ふたりが帰ろうとしたときに本物のMaryと会ってびっくりして、なら取り戻さなきゃ、って大暴れするの。

ギャグもおもしろいけど、the Avalon Boysの伴奏で彼らが歌って踊るとこがめちゃくちゃスイートでチャーミングで、そりゃもう泣きそうになるくらい素敵でびっくりして、このふたりなに? になって、会場からもそのシーンだけで拍手が出ていた。

Chickens Come Home (1931)

30分。 肥料会社の重役で市長選に立候補しようとしているOllieのとこに昔の女友達から昔の写真持ってるし脅迫するよ、ってきたので直接会って話そうとするのだがその日は大事なディナーがあるので替わりにStanを行かせたらあんのじょう…

Block-Heads (1938)

58分。 第一次大戦の塹壕で突撃するとき、Stanだけここを守ってろって残されたので言われた通りそのままずーっと守っていたら20年経ってて、ヒーローとして戻ってくるのが前半で、後半はそんなStanと再会したOllieが彼を自分のアパートに連れていくのだが、そこの13階の部屋にたどり着くまでに住民たちといろいろあって昇ったり下りたり落ちたり銃撃戦になったり、ぜんぜんたどり着けないで、バカなことばかりやっていくの。


こんなふうに筋だけ並べていてもちっともおもしろくないのだが、実際の画面はめちゃくちゃおもしろくて、建物の上下とか地面とその下とか、建物も車もぜったいぶっ壊れるし、犬もラバも飛んでいくし、でもなんといってもStanとOllieだよね。 後ろが大火事の大騒ぎでどれだけ突っこまれてもちっとも表情変えなくて動じなくて結果的にいろいろ壊しまくるStanとその被害あれこれ総額をでっかい体でまるごとぜんぶ引っかぶってずぶ濡れのぐしゃぐしゃになって「やれやれ」とか「どう思いますこれ?」とかそういう目と顔でこっちにじーっと訴えてくるOllieと。同じ衣装に帽子の凸凹ふたりが、手品のように手当たり次第にぶっ壊し尽くして、手品のようにハッピーエンドを 取り出してみせて、仲良く道の向こうに去っていく。

キートンやロイドはソロでそれをぜんぶやってて、それはそれですごくて、こっちはふたりだからどうって比べられるもんではないけど、身体がふたつあることでアクションの連鎖とか撥ね返りとか、物理的な目に見えるかたちでくるのと、それを「立場」みたいな観点でみれば2倍楽しめる、てことでとにかく見てみて。(3人以上だと、バンドになるからこれもまた別なの)

ドリフが「全員集合」でやっていたことって、この頃からあったんだねえ、歌うたうとこも含めて。 我々が土曜の晩に大笑いしていたように、日曜の昼間、子供たちにも大うけしていた。やっぱりね。

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