3.20.2018

[film] The Woman under Oath (1919)

11日、日曜日の午後、BFIで見ました。

ここでいつもやっている日曜午後のサイレント映画のシリーズなのだが、この日はInternational Women’s Dayにちなんで、それに相応しい1本を、って。 邦題は『女陪審員』。

上映前にクリティックの女性が出てきて監督のJohn M. Stahlについて説明してくれた。
サイレントでは20本以上監督していて、女性を中心に描いたメロドラマのジャンルを確立したひとりで、特にDouglas SirkはStahlの”Imitation of Life” (1934)を1959年に、“Magnificent Obsession” (1935)を1954年に、”When Tomorrow Comes” (1939)を(“Interlude”として)1957年にリメイク/リリースしている、云々。

冒頭に女性の陪審員は気質的に(temperamentally)だいじょうぶなのだろうか?みたいな問いが出る。(← 1919年だからね)
若者Jim (Gareth Hughes)が銃を購入してそのまま立ち寄った酒場で意味深なことを告げてから建物に入っていって受付を抜けてエレベーターを昇ったあたりで銃声が鳴り、なんだなんだって駆け上ってみたらさっきの若者が茫然と立ってて、そこには雇い主のEdward Knox (David Powell)が撃たれて死んでて、当然Jimはしょっぴかれて裁判が始まるのだが、自分はやっていない、って潔白を主張するの。

NYに住む作家Grace (Florence Reed)は病に臥せっている妹のことが気がかりなのだが、裁判所から陪審員に選ばれたので出廷するようにとの通知を受けて、それが女性として初ということなので震えあがりながらも行くことを決意する。

裁判は被告の圧倒的不利で進んでいて、犯行前にはっきりと銃も買っているし周囲に言ったりもしているので殺意があったことは明確で、そこは彼も認めるのだが、でもやっていない、入ったときに既に倒れていたんだ、って散々力説するのだが誰も信じてくれなくて、傍聴していた母と彼の婚約者は憔悴しきってかわいそうったらない。とりあえず証言はぜんぶ出たので陪審員は別室に、と女はGrace1、男は11の審議が始まって、手を挙げたベースだと男11人は有罪当然、Graceだけ頑なに彼の無罪を信じていて平行線なので、クリスマスイブの晩にこんなとこに閉じこめられた男たちは早く帰りたいし苛立ってきて、でもGraceは…

最後のほうの展開は結構ええー、になって、つまりクリスマスっていうことよね、てしんみりする。
セクハラ、パワハラを許してはいけないのはもちろんだし、それに対する裁きもそういうの抜きで公正に行われないとだめでしょ。 そして悪いやつはやっぱし地獄の底に堕ちて頂かないと、ていうわかりやすい構図がきちんと示されて、これがだいたい100年前の話で、100年前でもこんなだった、ということについて、まだほんの100年前、とか100年も経っているのに、とかいろいろ言いたくなるのはわかるけど、Graceの力強さと正義と彼女のまっすぐ揺るがない瞳が勝利したのだからよかった、と言ってよいのではないか。 悪いやつはどこまでも悪いねえ。

100年前の正義と悪、っていう特集あったら見たい。 50年前でもいい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。