3.27.2018

[film] Walking and Talking (1996)

19日の月曜日の晩、BFIの”Girlfriends”特集で見ました。
これ、日本ではDVDスルーにすらなっていない? こんなに素敵なのに。

Amelia (Catherine Keener)とLaura (Anne Heche)は幼馴染(ふたりで寝転がって”The Joy of Sex”の図解ページとかを見てげらげらしてる)で、大きくなってから一緒に住んではいないけど電話で連絡は取りあっている。

セラピストのLauraはFrank (Todd Field)と一緒に住んでて結婚間近ふうで、いろいろ不安定でセラピーを受けたりしている方のAmeliaは近所の貸Video屋(ていうのがそこらじゅうにあったのよ前世紀には)のSiFi - ホラーマニアの店員と仲良くなって一緒に寝てしまったりしている。

この時代、スマホもテキストもないので、伝言はだいたい家のなかの留守電で、でも仲良しだとだいたいいるいないはわかるので、留守電が録音モードになっても「はろー、そこにいるのわかってるんだからー、出ろやー!」とか延々言っていたりして(いつも言われていた)、そこでいろんなことがばれたり気まずくなったり、実はする。

そういうところでAmeliaとVideo屋の彼の件はだめになって、これはさすがにやばいと元彼のAndrew (Liev Schreiber – まだぴちぴち)を呼んで相談したり、LauraとFrankの方も直前になって喧嘩してFrankが出ていってもうだめか、になったり、Ameliaのとこにずっと一緒にいたでっかい老黒白猫が癌治療中に窓から落ちて亡くなってしまったり、いろいろあるけど最後に隣にいて歩いていたり喋っていたりするのはLauraでありAmeliaであった、ていうこと。

こないだ見た”Girlfriends” (1978)からの影響がないとは思えないの。自分でさばさば決めて先に走っていってしまうLauraと、受けとめてはみるものの中でうじうじ転がしてばかりのAmeliaはそのままあの映画のAnneとSusanだし、思いつきみたいなとこで寝ちゃったり別れちゃったり、誰が誰の助けになっているのか妨げになっているのかわからず、とにかく先はまったく見えなくてしんどいけど君がいるならなんとかなるかもね、ていう。 ラストのLauraのウェディングはやや紋きりだけど、その前にふたりが公園の池でぷかぷか浮かんだりするとこはすばらしくて、見た後にはよかったねえ、しか出てこない。

音楽はなんとBilly Braggさんで、オープニングに” She's Got a New Spell”が、エンディングに” You Woke Up My Neighborhood”が爽やかにでっかく流れる。 他にYo La TengoとかJoe HenryとかFrenteとか。 
例えば、Billy Braggタッチの映画、という言い方で思い浮かぶところから外れていないの。

Le Gamin Cafeっていうのが出てくるんだけど、これ、今はGreenpointにあるあのCafe?
(昔はSohoにあったのね)


2 Friends (1986)

21日、水曜日の晩、これもBFIの”Girlfriends”特集で。 これが自分にとってこの特集最後の1本かも。

Jane Campionの長編デビュー作で、オーストラリアのTV用に撮られた76分の作品で、これが86年のカンヌに行って彼女のキャリアが始まった、と。

15歳くらいのKelly (Kris Bidenko)とLouise (Emma Coles)のふたり - 家からはぐれた野良でPunkのKellyと親に大切に育てられているLouiseのふたり - の物語を時間を遡るかたちで綴っていく。 ふたりの間に起こったことの起点には何があったのか - ふたりの友達はなにがあってどんなふうに友達になっていったのか。 まずふたりの絆ありきの物語というよりも、絆はどんな要素からできてて詰まったり解れたりしていったのかを遠めの距離から、折々のスケッチやスナップを重ねつつ追う。
このアプローチって、自分が過去を振り返っていく時のそれと同じなのでああ..  って痛切にきたりするものだが、それをこのふたりにあてると余計にじーんとする。

ふたりの着ている服がとても素敵でよいの。 ロメールのかんじとはまた別で。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。