9.08.2017

[film] Night of the Demon (1957)

3日、日曜日の午後、BFIで見ました。 "Stephen King’s Picks"からの1本で、これの他にPickされているのは"The Changeling" (1980) ← これは5日に見た - , "Village of the Damned" (1960), "The Hitcher" (1986), "The Stepfather" (1987) とか。

冒頭、イングランドの夜中、Harrington博士が怪しげなKarswell (Niall MacGinnis)の館を訪れて、Karswellのやっているカルトぽい行いのことで言い争いをして、Harringtonが車で自邸に戻ると向こうから悪魔が現れて電柱に雷がおちてHarringtonは亡くなってしまう。
続いてカルトとか悪魔とか超自然なんとかを一切信じない科学者のJohn Holden (Dana Andrews)がイギリスでのコンベンション参加のためにやってくる。 それはHarringtonがKarswellのいんちきを科学面から暴いてやろうとしていた会で、着いた途端にHarringtonの死を知らされたJohnは行きの機内で知り合ったHarringtonの娘 - Joanna (Peggy Cummins)と一緒にHarringtonが追っていたものを探して大英博物館に行ったりKarswellに会ったりしていくのだが、だんだんに周囲に変なことが起こったりすることがわかり、これって果たしてひょっとして悪魔の仕業なのか? と。

Harringtonの死の謎を追う、更に彼が追っていた謎 - どう見たって怪しいKarswellの奴も含めて追う、その過程で浮かびあがってくる悪魔や魔術の謎(が書かれた本)とか、それを追う側は(我々とおなじく)そんなもんあるわきゃない、という前提で入っていくので、まずはサスペンスとしての構成とか筋立てが面白くて、その後でやってくる不可解ななんじゃこれは?? についても、だからとっても説得力があってすごいの。 ウルトラQがやっていたようなネタの元祖、というか。

悪魔とか魔術とか、超自然的なあれこれの有る無しについて、それらが本当に有るか無いかはとりあえず置いておくとしても、不可解な、解りえないことが起こって人が死んだり消えたりすることはあって、それらの因果関係くらいは突きとめることができるはず。 それを追っていったその先、その因果をもたらしたものはいったいなんなのか、について、この映画はそこまで明確に踏みこんでいなくて、そうだよねー、となってしまうことで彼方から、その一番最後に新たな闇が入りこんでくる。 ここにあらゆるホラーの源泉がある。すてきだわ。

この辺の語り口は、同じJacques Tourneurの"I Walked with a Zombie" (1943) でも同じだったかも。
最後にやってくるなんとも言えない余韻、というか気持ちの悪さというか。

画面上に出てくる悪魔(?)の造型を巡って議論があったらしいが、あれってすごくよいと思った、夜の、遠くの中空に火の玉がぐじゃぐじゃ回って、あれってなに? てなっていると鬼みたいな怪獣みたいなあれがあれよあれよと迫ってきて、その距離感、速度感がとっても映画なかんじがした。 これが57年って、なんかすごい。

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