9.27.2017

[film] Detroit (2017)

用事が入ってばかりで放課後に映画行けなくてつらい。

18日の晩、終わっちゃいそうだったので慌てて見てきました。

143分、きつくて怖い、というのは十分わかっていて、でも絶対見なければと思っていて、結果はやはり見てよかった。あっという間。

67年の夏、Detroitの12th st Riotの3日目に起こったAlgiers Motel incidentの顛末を映画化したもの。事件の発生から50年ということもあるし、50年経ってもぜんぜん変わってないじゃないか、今の話じゃないかこれ、という絶望感 - 向こう側の、そしてこちら側の - いろいろななにかも含めて、叩きつけてくる、迫ってくる。 どうしちゃってるんだ? というその怒りと性急さを正面で受けとめる、それだけでも見る価値はある。

Algiers Motel incidentていうのは、Riotが起こった地点から1マイルくらい東にあるモーテルで、7月25日から26日にかけての晩、3人のアフリカン・アメリカンのティーンエイジャーが撃たれたり殴られたりひどい状態で殺されていた場所で、他に白人の女の子ふたりを含む9人も拘束されて痛めつけられていて、そこにいたのは市警、州警、州兵で、そこから銃声が聞こえて狙撃犯が隠れているという情報に基づいての行動だったとされているがどこまで本当かはわからない。 わからないところを裁判記録や証言をもとにこんなんだったのではないか、というふうに描いてみたのがこれで、でもそんなに違っていないんだろうな、と思った。

なんでそう思えたのかというと、こういうケース - ホワイトの警察がアフリカン・アメリカンの人々を混乱時になぶり殺しのような状態で殺しても、業務遂行時の混乱の収束とか自己防衛の一環のように片づけられて罪に問われない - を(極めて不幸なことに)何度も見てきているから。 でも、それがよいことだとは勿論思えないし、ものすごく怖い。 そこには絶望しかない。

モーテルにたまたま外から来た若者たちが2組いて、ひとつはレコード契約のために来たR&BグループのThe Dramaticsのメンバー、もうひとつは事態を収拾させるべくそこを訪れたセキュリティガードのMelvin (John Boyega)で、彼らは騒ぎの最初から全く関係ない第三者なので、それゆえの理不尽さ、無念さがより際立ってくる。

監督はKathryn Bigelowで、前2作 - "The Hurt Locker" (2008)や"Zero Dark Thirty" (2012) で見られた画面のどこかで必ず何かが生起しているのを四方八方から狙っているようなライブ感が今回もすばらしく生きていて、でもそれは過去2作のような特定の政治的な構図(ゲーム)やイベントがもたらす(解りやすい)もの、というよりは明らかにホラーのそれ - 意味がわからないままに巻きこまれて逃げられなくて次には自分がやられるかもしれない - として情け容赦なく充満してくるので、ただ震えるしかない。 これが今のアメリカで起こっていることなんだよわかってんのかおら、と。

もちろん日本でもね。 誤った情報に基づいて集団心理をあおって集団の暴行や虐待に持っていく - 権力の上のほうが、自分達の統治機構を維持するために無反省にこれをずうっと繰り返している - 治安維持法の頃から辺野古の人たちにも。 こっちの方が病巣は根深いのかも。
だから、公開してほしい。 "I Am Not Your Negro" (2016) ですらぜんぜん公開されないみたいだけど、もうさー、ほんとうにどうすんのあの国。

オリジナル音楽はJames Newton Howardだが、あの時代のデトロイトだもんだから街中で流れている音楽がただただすばらしい。
それでも、というのか、だから、というのか、そういうのを必要としないで音楽は跳ねて、輝いている。

あと、John Boyegaって次のDenzel Washingtonになれるねえ。

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