9.19.2017

[film] The Limehouse Golem (2016)

9日の土曜日の昼、PiccadillyのPictureCentralで見ました。
原作はPeter Ackroydの小説 - "Dan Leno and the Limehouse Golem" (1994) - 翻訳は『切り裂き魔ゴーレム』 - 未読。
Peter Ackroydさんは最近出された"Queer City: Gay London from the Romans to the Present Day"がおもしろそう。
ロンドンを舞台にしたこういう映画はお勉強にもなるので、できるだけ見るようにしたい。

ヴィクトリア朝のロンドンのやばくて荒れたLimehouse地区で残虐な殺人が頻発して、人々はGolemの仕業って呼んでメディアはいちいち過剰に騒ぎたてて、そんななか、場末の見世物小屋女優のElizabeth Cree (Olivia Cooke) が夫のJohn Creeを毒殺した容疑で捕まって首吊りにされそうで、新たに捜査にアサインされた警部John Kildare (Bill Nighy)はふたつの事件の間に関連があるのでは、と調べを進めていくと、Golemと思われる奴が殺人の記録をがりがり書き込みをした大英博物館の図書室の本が見つかって、ではそれを書いた奴は誰なのか、と。

その書き込みがされた時、その本があった閲覧室にいたのは、亡くなったJohn Cree、Elizabethの小屋のスター俳優のDan Leno (Douglas Booth)、George Gissing(!)、Karl Marx(!!)の4人。 果たして犯人はこのなかにいるのか -

..マルクスだったらおもしろかったのにねえ。

切り裂きジャックが世間を騒がすより前の、それでも十分に腐れはじめていたロンドンの霧の中に冗談みたいな実在の人物を置いてみることで浮かびあがってくるリアリティ、というか、更なる嘘っぽさというか、がおもしろい。 見世物小屋のステージ奥に掛かっている絵はWilliam Blakeの"The Ghost of a Flea" (1819?20)だったりするし。
そういえば大英博物館の図書室はこないだ見た"Night of the Demon" (1957)にも出てきた。 きっと魔界と繋がっているんだねえ。

警部の推理が冴えまくる捕り物、というよりは魔人Golemの膨れあがった怨念がロンドンの下層社会の闇の奥で炸裂したり連鎖したりした挙句、その最期に正体を露わにする、現れるべくして現れる、それ自体が劇とか悪夢のように進行して為すすべもなく止められない、そんな物語で、難をいえば殺害シーンのおどろおどろがこわいよう - 殆どホラー - の印象ばかり残ってしまうことだろうか。
ゴシック・ホラーってあんなに血でべったべたになるもんなの?

Bill Nighyはいつもの彼からしたらおとなしめ、というか殆ど棒立ちでなにもしないかんじ(それもまた変な効果を出していたり)で、この映画では"Me and Earl and the Dying Girl"(2014) のOlivia Cookeさんがすばらしい。あの映画でもそうだったけど、与えられた不幸な境遇にクールに中指突きたてて向かっていくところがかっこよいの。

でもなんかもやもやしたなにかが残って、それってなんだったのだろう、と。
たぶんそれは ...

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