9.25.2017

[art] Buckingham Palace

バッキンガム宮殿ていうのは観光客にとっては柵の向こう側の奥のほうにあって、その近辺をでっかいアフロ帽子の衛兵さんがてけてけ歩いたりしていくのを、あ、出てきた、とか、うごいた! とか動物園みたいに眺める場所、だと思っていたのだが夏から秋口にかけての10週間だけ、お金を払って中に入れるときがあって、それの16と17の土日のに行ってみたの。なんで2日間かというといろんなツアーがあって、夜のと朝のを取ってみたの。

これまで日本の皇居とかお城とかまったく興味なしで行ったこともなかったのに、Chatsworth行ったりKensington Palaceみたり、自分のとこのはなんでこんなに… とか思ったりしているうちになんとなく、になってきたのだとおもう。

土曜日のはExclusive Evening Tourっていうやつで、夕方の17:45に集合してなかに入る。これが入っていなければこの日はプラハで夜まで徘徊できたのだが、しょうがない。チケット取ったの7月だったし。

入り口でチケットを受け取り、椅子のある待合スペースみたいなとこで待つ間に、内部の撮影は厳禁です飲み食いもできませんから、とインギンブレイな説明があって、空港と同じセキュリティをくぐって中に入る。建物はおっきく二つあって、しもじもの我々がふだん柵ごしに眺めているのが居住しているほうの棟で、ツアーするのはその奥の賓客とかゲストを迎えうつ迎賓館みたいなほう。 周辺はやたらとヘリやサイレンの音がうるさくて、そういえば前日にテロがあったばかりだもんね。

ツアーしたのはThe State Roomsていう王様たちが君主としておもてなしとかの仕事をするいろんな部屋たちで、エントランスから驚異的にごてごてした階段をぐるりと回って(のぼりきったとこにメドゥーサの首)、ガイドのひとがここはKing George IIIが1761年に買い取って、建築家のJohn Nashがヴェルサイユ宮殿に負けじとバブリーに飾り立てて、1837年にQueen Victoriaが君主の館にしました、ていう通り一遍の説明(実際にはものすごく詳細なの)のあとに、それぞれの部屋を案内してくれる。 黄色の部屋、緑の部屋、青の部屋(Edmund Spenser, John Milton, William Shakespeareが見下ろしている)、絵画の部屋、音楽の部屋(パイプオルガンが)、舞踏会する部屋、ダイニングの部屋、あたりまえだけど、それぞれに床も壁も窓も天井も調度も色も素材も模様もぜんぶ違ってて、それって意匠の統一感みたいな視点からするとどうなのか、なのだがそれぞれに圧倒されてへえへえ、てなってしまうところはどこも同じだったかも。

中では特別展示として、世界各国から王室がもらったギフト展、ていうのをやっていて、それぞれの国でいろいろでおもしろいねえ(日本のは、なんか蒔絵箱みたいなやつ)、だったのだがいちばん見たかったのはやはりPicture Galleryで、フェルメールの”The Music Lesson”はあるわレンブラントの”Agatha Bas”(これすごい)はあるわルーベンスはごろごろしてるわ、なかなかとんでもなかった。 ガイドのおにいさんがこれらに加えてくる解説がなかなかで、フェルメールの室内の陰影と人物の角度とか、”Agatha Bas”のフレームについてとか、微妙な、でも的確なとこを突いてて、他にも、この絵画で描かれた姫は相当のやんちゃさんでございまして、27歳で亡くなられました  - 27といえばそう、皆さんご存知のとおりジャニス・ジョップリンとジム・モリソンとカート・コバーンが亡くなった伝説の年齢でございますね、とか。

あと、Princess of Wales - Dianaの机まわりが子供たちの監修のもと再現されていて、ふーんくらいだったのだが、机の端っこに置いてあったカセットテープの箱が泣けた。ラベルにはなにがどんなふうに書いてあったのかなあ。 デジタルになっちゃうとこういうのが残らないよねえ。

ちょうど陽が落ちていくところで、窓の外が薄暗くなっていくところに照明が映えて晩餐に呼ばれたひとはこんなふうに移ろう景色の陰影を楽しめたのだねえ、と、Evening Tourの意味がわかった。
ツアーの終わりはガーデンに通じる部屋でグラスのシャンパンが出て、ほろ酔いになったところで今回のお客様に限って売店の商品はすべて20% offとさせていただきます、とか商売もうまいったら。

翌朝のツアーは9:30からで、最初に昨晩と同じ経路を辿ってState Roomsをみた。 ただしこっちは人間のガイドはなしの、ヘッドセットによるオーディオガイドのみで、これの情報量は人間さんの1/3もなかったかも。 他方で昨晩の復習をしたりガイドさんが飛ばしていった、けど気になるとこを見直したりするにはよかったのと、陽がでていると、夜には見えなかった天井のガラスの模様の細かさも確認することができたので、時間があったら両方行くのがよいのかも。

これの後で少し時間があいて、11:30くらいからGarden Highlight Tourていうので、お庭を見た。庭にはでっかいグースとかカササギ(だよねあれ?)とか、ハトですらゆったり寛いでいるようで、ツアーはガイドさんに連れられてその奥の庭園とかお茶屋とかテニスコートとか池(Lakeって言ってた)とかをお散歩のスピードで歩いていくの。この2本の樹は植えられたふたりにちなんでVicki & Albertと呼ばれています(いいねえ..)、とか。 街中にあるので外から見られないようにするための工夫いろいろ、とか。
秋の木の実がいっぱい落ちていて、こんなところを気が向いたときに散歩できるなんていいなー。

あと、やっぱりキツネ - Fantastic Mr. Fox  - は生息しているんだって。 うちの近所でも2回みたの。

来年もまた来ようっと(まだいられたらな)。

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