3.16.2017

[film] Kong: Skull Island (2017)

12日の日曜日の午後、BFIのIMAXでみました。
ここのIMAXは英国でいちばんでっかいやつで、建物からそれ専用の円筒型で音も画質も極上で、これを見てしまうと日本のシネコンのって団地サイズだねえ、ておもう。
こっちきて最初のIMAXはこれしかないな、と決めていた。でっかい猿のやつ。

太平洋戦争の終わり頃に島に降りたった日米の飛行機乗りふたりが地面で取っ組み合いをしているとそいつが突然現れて、ていうのが導入で、そこから時代は1973年にとんで、怪しげなJohn Goodmanがある島に調査に行かせてくれって政治家のとこに陳情に来ていて、なんとか許可を得るとついでに軍のエスコートもお願い、ていう。

ベトナム戦争からの撤退がはじまっているアジアで軍のヘリとかカメラマンとかを一式調達して、分厚い壁をつくっている悪天候の雲をなんとか抜けてみると奥からいきなり大猿が出てきて、ヘリの何台かを叩き落として消えて、ここから先は戻りのピックアップの場所に向かって、敵意めらめらのSamuel L. Jackson組と大猿に少しの理解を示す組と、そこに加わった現地組のJohn C. Reillyも含めた絶海の孤島の大冒険、になる。

タイトルも主人公も”Kong”、なのだがまんなかにいるのは巨大生物の島で右往左往する戦争で疲れてうんざりしていた兵士たちの恐怖だったり絶望だったりやけくそだったりのほう、ていう気がした。 こういう映画ではお決まりの怪物ぽい痕跡や気配を少しづつちらちらぞわぞわ見せて、だんだんに恐怖を増幅させてさいごにどーん、ていうアプローチはなくて、みんなただの生物がでっかい状態でわらわらいるだけで、その原理生態のもとで動いているだけなので、なんでもいきなりぐさー、とか、ばしゃー、とか降ったり襲ったりしてくる。 これはこれでおもしろいかも。

かんじとしてはJurassic Parkに大猿が加わったような、というか。
ではなんで大猿なのか、というと伝統的なKing Kongの物語の線上にある、美女にはやさしい、というか猿でも善い悪いの判断がすこしくらいはできるよね(希望)、みたいなあたりだろうか。
で、物語の重点はやはり悪いほう - SLJとKongとの睨み合い対決 - なめんじゃねえぞこのサル - に向かうわけだが、これってKongからしてみれば向こうが突然現れたからちょっとイラついて叩き落としただけで因縁つけてくるんだからほんといい迷惑なのよね。 ていうのと、これはとうぜんベトナム戦争に突っこんできたアメリカ、の鏡像としてもあるのだろう、たぶん。

このへん、怪獣映画だとおもって見にきたら巨大生物をめぐるアドベンチャー映画だったのでふうむ、になった人たちにどう見えるのかしら。 ただがんがん鳴っている音楽(とっても気持ちよい)も含めて全体が70年代のあぶら臭いので、あの時代の映画が好きだったり懐かしいと思ったりするガキっぽい男子には丁度よいのかも。

ほんとうはBrie LarsonにSamuel L. Jacksonのきんたま撃ち抜いてほしかったんだけど。

Tom Hiddlestonはかっこつけて走っているばかりで、ほとんどなんもしない。 あれならLokiの恰好して薄ら笑い浮かべている兵士の役、とかでじゅうぶんだったのに。
で、いちばん偉いのは太平洋戦争をサバイブしてコングと米兵の両方を助けてあっぱれ本国に帰ることができたJohn C. Reillyなんだろうな。 戻ったら妻は別の男と幸せになってて … はさすがになかった。

こっちのポスターで「地獄の黙示録」そっくりのやつがあって、John C. Reillyをカーツ大佐にする、っていうのもあったか、とか思って、そんなふうに遊べる間口の広さみたいのはいいかも、って。

それにしてもBrie Larson、ジャングル行くのにあのタンクトップはないよね。

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