8.23.2016

[film] Pete's Dragon (2016)

ソーセージまみれのままアメリカを去るのはなんかあんまりな気もして、もう1本見たくなって、"Don't Think Twice"とか Ira Sachsの”Little Men”とかを考えていたのだが、とにかくものすごくだるくて寝てしまう気がしたので、わかりやすそうなこれにした。

19日金曜日の晩、前日にソーセージを見たKips Bayで。 すばらしくよかった。

監督は"Ain't Them Bodies Saints" (2013)のDavid Lowery。あの切なすぎるアウトローの物語を撮った彼がディズニーの子供/ファミリー向けの物語をどんなふうに撮るのか、と。
同じ原作の77年のは見ていない。

家族とドライブでどこかに向かおうとしていたPete (Oakes Fegley)は飛び出してきた鹿を避けようとして横転した車のなかでひとり生き残って、森のなかを彷徨っていると狼がぐるぐる唸っていて、どうしよう、となったところで突然ドラゴンが現れて助けてくれる。彼はドラゴンをEricと呼んで、森の樹の上で暮らすようになって6年が過ぎる。

森林管理官をやっているGrace (Bryce Dallas Howard)がいて、おじいちゃんのMeacham (Robert Redford)がいて、彼は森で昔ドラゴンを見たことがある、と言っていて、伐採場の男たちがいて、ある日Graceは森で半裸のPeteを見つけて保護して、Peteが心配で出てきたEricはやがて人間に見つかって、伐採場の男たちはドラゴンを捕まえようとやっきになって、それで。

野生の少年の孤独、少年とドラゴンの固い絆、ドラゴンを捕まえようとする醜い、愚かな大人たち、ドラゴンを守ろうとする大人と子供たち。 これまで何度も見てきた気がする辛くて切なくて、でも最後の最後にはううぅ、って泣いてしまうあのかんじ。ものすごくどまんなかを貫いた子供たちとドラゴンの愛と友情の物語。

影響を受けた作品群として監督はジブリのトトロとかを挙げていたが、一番近いと思ったのは"Splash" (1984) で、あれで泣けてしまうひとにはいちころ。子供だけに見せておくのはほんとにもったいない。
“Splash”の遠くで瞬く水しぶきが感動的だったのとおなじように、Ericの羽ばたき、飛翔は鳥肌もんの感動をよぶ。
これができるのなら、”How to Train Your Dragon”だって実写でできてしまうと思った。(いや無理か)

Ericが人の言葉とか喋ったらやだな、だったのだがそれはなくて、彼は不細工でふつうに小汚く獣くさくて、それがだんだんかわいく見えていくところもなんかよいの。憎らしいくらいに。

音楽は次のような人たちの曲がたいへんゆったりと流れるの。
Bonnie “Prince” Billy, Okkervil River, St. Vincent, Leonard Cohen, The Lumineers …
こんなの、悪いわけないでしょ。

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