10.10.2011

[film] Some Came Running (1958)

2日の日曜日も映画3本だけ見ました。

お昼はFreemansでSmoked Troutをいただいた。
絶妙な塩加減と適度にほぐれた魚の身は体内の猫毛総立ちの一皿でした。

デザートはスキップして、Spring stの駅の脇にできてたこのお店にいった。
"The Best Chocolate Cake in The World"

http://www.thebestchocolatecake.com/

お店の名前だけで食べてやろうじゃねえか、となるでしょ。
PlainとBitterの2種、リスボン起源だそうで、ちょっと甘いかんじもするけど、おいしい。
お店に買いにきたおばさんが、「ねえねえ、これってBest Chocolate Cake in The Worldなの?」て素朴に聞いていた。 で、お店のおねえさんは、ふつうに"Yes"、て。

ケーキの後で、McNally Jacksonで雑誌でも漁ろうと思ったら、すごい人だかりで。
この日までのNew Yorker Festivalのサブ企画で、サイン会をやっているのだった。

丁度1:00pmからのRichard Dawkinsせんせいが始まるところだった。
サインは貰わずに、こいつか!と顔だけ見ておいた。

買ったのは1冊だけ、"Destroy All Monsters Magazine 1976-1979".
Destroy All Monstersの活動初期に発行されたZine 6 册分を束ねたもの。

2:00pmからは、Jonathan Franzen(とColson Whitehead)のサイン会もあったのだが、時間がないので次のOther Musicに向かい、ここもさいごのお買い物。
店内でなんでかTalk Talkががんがんに流れていた。 いいよねえ。
Dum Dum GirlsとSt.Vincentのアナログだけ買った。中古はパス。

そこからBAMに向かって、The Complete Minnelliからの1本を。

上映前に"Designing Woman" (1957) (邦題:「バラの肌着」..?)の予告がかかった。
Gregory PeckとLauren Bacallによるラブコメ。すんごくみたい!

筆を絶ってしまったアル中の作家で退役軍人のDave(Frank Sinatra)がバスで故郷の街に帰ってくる。 シカゴのバーで拾ったらしい頭からっぽの娘(Ginnie: Shirley MacLaine)もなんでかついてくる。あとは、プロのギャンブラーのDean Martinとか、よそから流れてきた人たちがいて、他方には街で宝石商をやっているDaveの兄Frankとか、そのサークルの堅気の、上流の人たち、街でずうっと平穏に暮らしている人たちもいて、両者の間にいろんな波風がたつの。

地元の学校の文学の先生(Gwen)に一目惚れしたDaveは、彼女に未完稿をあげて、もともと彼のファンだった彼女はそのクオリティにびっくりしてふたりの間に恋が芽生えたりもするのだが、やっぱし結婚はできないわ、ということで別れるの。

で、結局一途なGinnieと一緒になることにするのだが、かつてのヒモが追ってきて最後には。

筋だけだとこんなもんなのだが、他にもDaveの兄の家族とか、その職場の秘書とか、いろーんな人間関係がこってり細やかに描かれていて圧倒される。

先を見失って苦悩するDave、先は知らねえ運の向くままというギャンブラー、Daveと一緒ならなんもいらないわというGinnie、Daveの世界に圧倒されながらも自分の生きてきた世界と体面は崩せないGwen, 自身が築いて来た家庭と職場の安寧が全てのFrank、父に感謝しながらも外の、Daveの世界に憧れる姪、などなどDaveの帰郷と共に露にされるこれらの人々の感情と魂のありよう、そしてそこから去っていく人々と。

Frankが学校の先生と森の邸で愛を交わすところとか、ラストの夜のFestivalの描写の凄まじさ(Minelliの映画の最後のほうって、いつもなんであんなにぶっとんでしまうのか、よい意味で)とか、そこで描かれたエモの決壊が最後の葬儀の場面の像と河を見下ろすばーんとしたショットではらはらと陽の光に融けていく。 その強さというかでっかさにあっけにとられるしかないの。

音楽はElmer Bernstein、これもすばらしかった。

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