10.20.2011

[film] Accident (2009)

15日、土曜日はあれこれ悩んでさまよって、結局じめつぜんめつ。 かわいそうに1本だけ。

Johnnie Toプロデュース作品。 Milky Wayのあれが、右側からじゅーん、て入ってくるだけでアドレナリンが湧いてしまうような体、になりつつある。

ごくふつうの事故(アクシデント)に見せかけるかたちで依頼された殺しを実行する4人組がいて、シナリオ考えて4人で役割と配置決めて時間とか天候とか見て、決行するの。 
確かに、冒頭の「殺し」は鮮やかにきまる。

次に依頼されたやつを準備して、天気とかを散々待って、やっと実行して、それ自体はうまくいくのだが、そのあとで予期していなかったことが起こって仲間のひとりが死んでしまう。
これは「アクシデント」なのか、べつの角度からの「殺し」なのか。

リーダーのブレインが依頼人や仲間までも含めて張りこみをして、じりじりねちねち「アクシデント」、ではない「殺し」の可能性を探っていく。 殺しを仕掛ける側の緊張が、仕掛けられる側の恐怖と焦燥に変わっていく、その鍋底に追いたてられていくような感覚。  Johnnie To作品の悪党って、なんでいつもあんなに過酷でおかしくてかわいそうなんでしょう。

Johnnie To(関連)作品を見るときの醍醐味って主人公の思いに感情移入するというよか、置かれた状況のひたすら居心地悪くて気持ちよくない宙づり感覚を味わうところにあるのかも、って改めておもった。
クリアで冷たいようで、でも結局は闇、とか、画面のあちこちにいて変な動きをするよくわかんない人たち、とか、同じようになんか不機嫌に鳴り続ける不快な音、とか。

ブレインを演じるLouis Kooは、こないだ機内で見た『単身男女』でも一見真面目ふうで、でも腹黒なんだかなに考えてるんだかわからない爬虫類みたいなエグゼクティブを演じて見事だったが、今回もおなじような。 もてないとおもうわ彼。

そういえば、痕跡を残さないプロの殺し屋のお話としては、ついこないだジェイソンはげの"The Mechanic"ていうのがあったが、あれが問答無用のマッチョはげの一撃ですべて蹴散らしてしまう俺様やろうだったのに対し、こっちは起こることぜんぶにいちいちびくびくぴりぴりして、仲間もぜんぶ失って哀れで、なんかアメリカ人とアジア人のちがいかもねえ、とか思った。

86分。 クリスピーで、なんか気持ちわるいけど気持ちよくて、よかったです。

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