11.30.2010

[film] Varieté (Variety) (1925)

日曜日は、翌日から会社だし、なんかゆううつだったので、映画2本だけ。

2:30から、MOMAのワイマール映画特集で、25年、Ewald Andre Dupont による"Varieté (Variety)"。 
別の英題として"Jealousy"。

頑固で口をわらない服役囚28号がぼつぼつと語り始めた殺人の成りゆき。
(この映画もサイレントで、ピアノ伴奏+英語の通訳ヴォイス入り)

彼は空中ブランコの曲芸師で、Berta-Marieていう美人のパートナーができて、ショーで成功したいという野望が出てきたところにハンサムな曲芸師が現れて、一緒に組んで当てよう、ということになり、実際にショーは成功するのだが、彼はこいつがBerta-Marieを誘惑しているとおもいこんで、嫉妬に狂いはじめて、で最後には。

主人公の服役囚を演じるのが”The Last Laugh” (1924)のEmil Janningsで、"The Last Laugh"もほんとにすごくこわくて背筋の凍る映画でしたが、この映画の彼はあれよかリアルにこわい。 こわいったらこわい。
終盤、嫉妬に狂っていって、最後に相手を追いつめていくときの目のこわさときたら半端じゃない。
ほんとに狂ったひとでも、あんな目にはならないとおもう。

で、その目が、いまからおまえを殺す、ていう目をした目が、こっちに向かって歩いてくるわけですよ。 
子供がみたらぜったいびーびー泣く。 夢にでる。

あとは、空中ブランコ目線のカメラ(なかなかすごい)とか、それに興奮してざわざわする群衆とかがこまこまと、しかし見事に活写されている。 興奮のあまり煙草を食べちゃうおばさんとか、おかしい。

そういうもんだから、と言われたら、はあそうなのね、しか言えないのですけど、改めて、陰影のかっこいいとことか、画面構成の絵画みたいに決まっているとことか、すべてが極端で、凄すぎてあきれる。

映像における芸術-光と影とひとの動き、ひとの表情を白黒のフレーム上でどう表現し、実現するか、みたいなテーマは全てこの時点で、考えぬかれて、試されつくしているのではないか、という気すらした。

クライマックスの殺しのシーン以外でも、冒頭、刑務所の廊下を歩いていくその後ろ姿だけでも、既にものすごいなにかを語ってしまっている。

この特集、引続きいっぱい見たい。 
けど、ものすごく体力使って消耗することもたしか。 なんでかしら。

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