11.22.2010

[film] Runaway Train (1985)

土曜日は映画3本。 それでもぜんぜん追いつかない。 どうしよう。

髪を切ってからBAMに出て、ファスビンダーの"The Marriage of Maria Braun" (1979)を見ました。 これはまたのちほど。

終ったら夕方で、BAMからWilliamsbergに地下鉄で抜けて、雑誌にでてた一軒のレコード屋を探してみたのだが、なかった。
しょうがないので、いつものAcademyに行って2枚だけ。

Cop Shoot Copの12inch, "Headkick Facsimile"とNick Caveの「よいこ」のアナログを。

晩の7時から、Lincoln CenterのCannon特集で、Andrei Konchalovskyによる"Runaway Train"を。
『暴走機関車』ですね。

他にもどっちにしようかの選択肢はあれこれあったのだが、こないだの"Unstoppable"の電車つながりでなんとなく。 あと、上映後のトークでいろいろお話も聞けるということだったので。

黒澤の原作原案がどうの、という昔話はいろいろあるようですが(ぜんぜん知らなかったわ)、とりあえず映画は力強くて、寒そうで凍えそうで、よかったです。

冒頭のアラスカの刑務所の臭ってきそうな汚れたかんじといい、喧嘩の時のはらわたといい、なんか全体に荒っぽくごりごりした導入から、そのままふたりの脱獄犯のぎくしゃくと噛みあわない道行きに繋がり、更にそれがぶっこわれた電車の轟音に連結され、特大の糞玉みたいな雪玉になって転がっていく。

Jon VoightもEric Robertsも、近頃の俳優さんには見られない野獣っぷりがすごい。 
止まらなくなった電車を止めようとするふたり、で言うと"Unstoppable"のコンビの、すっかりなにかを諦めてしまったようなごみっぷりとはまた対照的だよね。 

そういえば、終った後のQ&Aで客席から"Unstoppable"がこの映画となんか似てるんですけど、見ました? と質問がとんでた。(ふたりとも「見てない」)
で、この"Runaway Train"のほうがおもしろいよ! そうそう! てあちこちから声が挙ったのだった。 
でも、両者はそんな似てないし、どっちもそれぞれにおもしろいよね。


上映後のトークは、Cannonをつくったふたり、Menahem Golan(豪快おやじ風 - 写真の左)とYoram Globus(ばりばりビジネスマン風 - 写真の右)を招いて、Cannonの歴史その他与太話ほら話(あ、ほらじゃないね)あれこれ。しかも壮大な。

おもしろかったのは、なにかというとすぐお金のはなしになるところね。
なんでもかんでも節操なく手を出していったのはお金になると思ったからだって。
中味はあまり考えてなくて、まず安くできて、儲かるかどうか、が判断基準である、と。


スタローンと作った2本の話でいうと、当時はあまりお金がなくて、スタローンのギャラは最低6mil.で、だから、我々は10mil.で出てもらった、と。

え? と客側も混乱して「それってどういういみですか?」と問うと、Yoramのほうが即座に「我々はそれで十分儲かるとふんだからだ」。 
かっこいいー。よくわかんないけど。

あと、ヴァン・ダムを最初に見つけたときのはなしとか、シャロン・ストーンも彼らが見つけたっていうし、チャック・ノリスは言うまでもないし、この人たちがいなかったら、我々が見てきた映画の地図は、相当違ったものになっていたに違いない。

Cannonは潰れてしまったものの(カタログはMGMが持っているそう)、彼らはまだまだ映画を作ろうとしてて、できればホロコーストものを撮りたいんだって。

Cannonのカタログにはまだまだ埋もれた名作がしぬほどありそうで、客席からはそれらについて相当マニアックな質問があれこれとんでいた。
でもちゃんと答えられないのよ。「そんなのしらんぞ。ほんとか?」とかいうの。
客がIMDbにはそう出てるんですけど、とか言い張ると、「インターネットなんか信じちゃいかん」て。

素敵なふたりぐみでした。このふたりのお話はいつかそのまま映画になるぞ。


さっきまで、TVで"Elf" (2003)やってた。 やっぱりいいよねー。
Zooey Deschanelさんが歌うんだよ!

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