11.20.2022

[film] Ticket to Paradise (2022)

11月13日の午後、Tohoシネマズ日比谷で見ました。

『断絶』に続けてみるのはいくらなんでも、という気もしたがそんなときもある。邦題は片仮名そのまま。なんかつまんないのー。

情熱的に(情熱のみで)結婚して娘が生まれてすぐにいがみ合って別れてからはすれ違うたびに毛を逆立てて威嚇しあう仲のDavid (George Clooney)とGeorgia (Julia Roberts)の元夫婦がいて、娘のLily (Kaitlyn Dever)のロースクールの卒業式でもそれぞれ空気を読まない頓珍漢な喝采合戦をしている。 Lilyは学友のWren (Billie Lourd)と一緒にバリに卒業旅行に旅立つのだが、着いて早々に海藻の養殖をやっているGede (Maxime Bouttier)と出会って、転がり落ちるように恋におちて、もうたまんないから結婚するのだ! になる。

ロースクールではずっと勉学に浸かっててその鎖から解かれてエキゾチックな異国に放たれた途端に現地の若者と恋におちる、そこまではわからなくもないがいきなり結婚なんて、しかもバリで向こうの家族とずっと暮らしていくなんてやり過ぎの行き過ぎだし、気がついたら取り返しがつかないくらいにお互い憎みあうことになる(はず!)、愛する娘が自分たちの二の舞のようになることだけは食い止めなければ、という点において合意して共闘することにしたDavidとGeorgiaは一緒の飛行機に乗り込んだ途端に刺々しまくり、しかもGeorgiaの方には頭のネジが飛んでしまったかのように彼女にメロメロのフランス人パイロットPaul (Lucas Bravo)がべったり貼り付いてくる。

こうして娘を取り戻すべく腕まくりして勇ましく乗り込んでみたものの、新郎の家族も村の人々も、なにより新郎のGedeからしてとってもスイートでよい人だし、島はパラダイスとしか言いようがないし、突っ込みを入れたりサボタージュする意味も理由も見つからない空振りばかりで。仕方なく式当日のキーアイテムである指輪を盗んで隠すことにするが、しばらくしたら当然ばれて「なにやってるの?」になったりするのと、久々にふたりきりで自分たちの結婚とその躓きについて話してみたり、パーティーで馬鹿騒ぎしたりするなかで - 完全に孤立してしまっているし - 近寄っていくDavidとGeorgiaは。

最初の1/3くらいでどこにどんなふうに落ちるのかとか、その教訓とかメッセージとかが見えてしまうし、わざとそういう構造にしているのだとしても、あまりにわかりやすくストレートすぎるのと、結局George ClooneyとJulia Robertsふたりのかけあいの巧さとパワーに拠っているのと、でもそんなの予告の段階からわかっていたはずなので、あーあって(はぐらかしてくれると思ったのにー)。

そういう定型の終わり方からなんとしても逃れようとしたのかどうなのか、あのラストは、え? それなの? それだけ? ってなんかしらけて、そのまま続けてNG集に入っても楽しく笑えないのだった。

あるべき筋立てとしては例えば: 目的地のバリに向かうふたりに幾重ものトラブル - Paulも絡んでくる - が襲いかかっていつまで経っても辿りつかず、あれこれ協力してがんばってぼろぼろになってなんとか到着したときに肝心の式は終わっててあーあ、なのだがそんなふうにして乗り越えた困難はふたりにとって無駄なものではなかったようで…(ここで“Ticket to Paradise”、というタイトルが効くの)

それか、パパとママがそれぞれの部下とか友人の息子を刺客としてバリに送り込んで、Lilyに近寄らせて奪還作戦を展開するの(あとはそのまま、数年後にバリ版の”Mamma Mia!”が)。

それにしてもJulia Robertsって、”My Best Friend's Wedding” (1997)では元カレの結婚式を断固阻止しようとするし、”Runaway Bride” (1999)では自分の結婚式から何度でも逃走しようとするし、Weddingなんて人生の終わり、反対! 嫌だ、ということを役柄の上でずっと言い続けている気がして - なんでだろうか? - でもそれだけでなんかよいなー、って思ってしまう。

あと、C+C Music FactoryやCypress Hillがパバママのしょうもない懐メロ扱いされて毛嫌いされてしまうことがわかった。だいたい30年前のだしな。 もうしらん。
 

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