9.21.2021

[film] Gunpowder Milkshake (2021)

9月14日、火曜日の晩、アメリカのNetflixで見ました。日本のNetflixにはまだ来ていなくて、英国はSky TVと劇場公開で、繋がるかしら見れるかしら、と思ったら繋がった。

タイトルがよいなー、と思って。語感のかんじとして”The Peanut Butter Falcon” (2019)のあたりに近いかも。

Sam (Karen Gillan)がどこかの組織を急襲する場面が冒頭。Samは幼いころにやはり暗殺者だった母Scarlet(Lena Headey)と別れて(別れさせられて)、その後は闇の組織The FirmのNathan(Paul Giamatti)に暗殺者として幼い頃から育てられて雇われている。

次の仕事はThe Firmの金を持ち逃げした会計士から金を奪い返す仕事で、図書館に行って母のかつての仕事仲間であるMadeleine (Carla Gugino)、Anna May (Angela Bassett)、Florence (Michelle Yeoh)と会って最新の武器を貰って - 武器は収蔵されている本の中に仕込んであって、『高慢と偏見』、『ジェイン・エア』、『自分だけの部屋』の3冊 - 現場に向かったら誤って会計士の腹を撃ってしまうのだが、彼は奪った金は誘拐された自分の娘の身代金だったのだと言い、お願いだからお金を持って交換場所のボーリング場に行って娘を取り戻してくれないか、と虫の息で請われ、Nathanの反対を押し切ってボーリング場に向かい、娘のEmily (Chloe Coleman)は保護するものの身代金のお金はふっとんでぱあ、会計士のいる病院に戻ると彼は亡くなっていた。

この件と、最初の襲撃でSamがロシアマフィアの大物の息子を殺していたことがわかったのとで、The FirmはもうSamを守りきれないって彼女に通告をして、SamはEmilyを連れて隠れ家に行き、そこで母と再会して、女性3人とも合流して、どんぱちの舞台は図書館に...

ストーリーとか考えなくてもかっこいい女性たち5人による血みどろのアクションとして十分に楽しめる。
ただし。ただし、図書館は静かに本を読んだりお勉強したりする場所で喧嘩や殴り合い殺し合いや爆破などをしてはいけない、本はくりぬいて武器や鈍器を収めるための器ではない - 空っぽの頭を埋めて世界のいろんなことを教えてくれる宝箱で、司書の人は収蔵されている図書を扱うプロで、武器や暗殺を専門にしている人たちではない - というあたりは基本の当然の、あったりまえの了解事項として置いたうえで。勘違いしないようにね。

出てくる女性たちはみんな強くて俊敏でかっこよく、出てくる男どもはみんなマッチョで野蛮で愚鈍でみっともなくて、実際にそうであってまったく文句はないのだが、”The Raid” (2011)あたりから始まって”John Wick” (2014)あたりで普通になってしまった(or ゲームでそういうのあるの?)ぐさぐさ接近戦の血が飛び散る描写の数々って、あれはいいのだろうか、痛そう~ っておもしろがればいいのか。なんかああいうのを見せずにやるやり方もあるんじゃないか、とか。

最後はみんなで風を切って走り去っていっちゃうのだが、図書館はあのままでいいの?そもそもあれは実は図書館ではなかった(経営;CCC)とか?


Kate (2021)

9月11日、土曜日の晩、日本のNetflixで見ました。日本 - 大阪? を舞台にした女性の殺し屋Kate (Mary Elizabeth Winstead)の話で、上の”Gunpowder…”とは痛そうな殺戮描写を含めて共通点がいっぱいある。小さい頃から暗殺者として育てられてきた孤独な白人女性が、仕事で誤って殺してしまった男の娘 – 非白人 - を連れて限られた時間(Kateは毒を盛られて24時間で死ぬ運命)のなかで襲ってくるやくざ達と戦って、最後には自分を育ててくれた男と対峙する。

そして彼女たちと殺しあう相手は、前者はロシアマフィア、後者は日本のやくざで、どちらも組織内の絆や掟の強さと組織に敵対する外の者に対する残虐さや不寛容は謎や脅威のような形で提示される。

日本のやくざの描写については、BBCで放映されて今はNetflixで見ることができるミニシリーズ - ”Giri / Haji” (2019)も同様で、この辺、どうなのかねえ、って。 この”Kate”だと、主人公が戦うやくざ社会/家族のありようと日本のアニメ/Kawaiiとかのポップカルチャーがなんのギャップもなく都市・繁華街・家屋のなかに共存している。もういっこ、”Kate”と”Giri / Haji”の共通項として、守られる対象となる日本の女性は若くて英語が堪能でコミュニケーターとしても優秀、っていうところとか。 – これらの(異国から見て)異様な戦う人/守られる人のありようって映画としてはCool !(とは決して思わないけど)で済んじゃうものかもしれないが、これらの映画の与えるイメージがこの国(どんな国でも)に暮らす人たち、あるいは/特に海外に暮らすアジアの人たちに対する偏見や差別を徒に助長するものになりはしないか、という点は注意する必要があると思った。結局先進国に暮らす白人向けのエンターテインメントなんだよね、で済まさないで。

あと、Woody Harrelsonて”Solo: A Star Wars Story” (2018)でもそうだったけど、育てた子に最後やられちゃうよね。
 

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