9.01.2020

[film] Les parfums (2019)

 もう9月かあー。 8月23日の晩、Cursor Home Cinemaで見ました。
英語題は”Perfumes”。 邦題はきっと「幸せの香りを求めて」みたいなやつになるんだよ。けっ。
Emmanuelle Devosさんがだいすきなので、久々に見たいな、って。

パリでリムジンの運転手をしているGuillaume (Grégory Montel)は、中年で離婚していて、ティーンの娘がいるのだが、いま住んでいるアパートがしょぼくて娘を週末に呼んだりすることができないので、いっぱい仕事してお金を貯めてもっと広いアパートに引っ越す必要がある。 でもスピード違反のチケットを結構切られていて会社からはいい加減にしないと.. って言われている。

ある日、運転の依頼がきたクライアントがAnne Walberg (Emmanuelle Devos)で、ものすごくつーんとしてて偉そうで、有無を言わさぬ荷物運びから着いたホテルの部屋のシーツを替えさせられたり(ホテルのメイドが使う匂いが我慢できない、って)、更には彼女が洞窟で仕事をしている時に口述筆記をさせられる - 彼女の仕事がなんなのか知らないのでわけわからない。で、仕事が終わったときには一応ひととおり嫌味と文句を言って別れる。

そしたらなんでか彼女から再び依頼がきて、本当だったら断りたいのに上の事情があるので断れなくて、つんけんしながら対応していく、その辺りのやりとりはちっとも新しいところのないフレンチのコメディの定石なのだが、相手がなにを言っても「それがどうした」「そんなのぜんぜんおもしろくないわ」って顔したEmmanuelle DevosさんなのでそういうSM寄りのが好きなひとにはたまんなくて、そうやって少しづつ近寄っていくふたりで、でも決して恋愛関係にはなるようなそれではないかんじ。

その関係のなかで明らかにされた彼女の仕事は香水のデザイナーで、でも今はエージェントの持ってくる洞窟の香りの調合 - 元の洞窟が痛んできたので別の場所にフェイクのをつくる - とか、工場の悪臭をなんとかするとか、そういうのばかりをやっている。かつてはDiorのJ’adoreのデザインをしたのも彼女である(もちろん、ほんとうはCalice Beckerさんね)ことが明かされ、そんな彼女がエージェントの言いなりで半端な仕事ばかりをやっている事情も明らかになって、でも元々鼻が効くらしいGuillaumeといろいろやりあったり助けられたりしてくうちに…

Emmanuelle DevosさんとGrégory Montelさんのコンビがとてもよくて、できればこのふたりで裏社会任侠モノを見たいかも。監督はJacques Audiardあたりで。 Emmanuelle Devosさんは近い将来、いまCatherine Deneuveさんが担っている揺るがない女家長の座 - ”Queen”を継ぐにちがいない。

わたしは元々鼻がよくない(目も耳も舌もよいとこひとつもない)ので、彼女のしているような仕事には尊敬しかなくて、すごいなー、って。彼女が小さい頃に出会った香りとして学校のレモン石鹸のことを言っているところとか、なんかよいの。

鼻はだめなのだが、もう20年以上Jo Maloneを使っていて、せっかくロンドンにいるので新しいのとか限定のが出るとくんくん嗅ぎにいって、ううむ、とかやっている。これだけじゃないけど、日本にいくとなんであんな高価になっちゃうのか。


まだレコ屋を彷徨ったりしているRSD2020。 全部聴けていないけどよかったやついくつか;

“JAZZ ON FILM...Michel Legrand - The New Wave era best of Michel Legrand”
“Cleo de 5 a 7”とか”Eva”とか”La Baie de Anges”とか、初期の珠玉のサントラたちが一枚に。

“The Pogues - At The BBC 1984”
まだCaitがいて、Terry WoodsもPhilip Chevronもいなかった(Philip Chevron加入直後のは数曲入っている)頃、いちばん聴きたかった時期のThe Poguesの音。

“Edith Sitwell/William Walton - FaCade”
10 inchで、ジャケットのイラストがとってもかわいい。 Edith Sitwellさんが自分の詩を読んでいるの。

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