9.26.2020

[film] Enola Holmes (2020)

 23日、水曜日の晩、Netflixで見ました。  今週月曜日の朝のBBCニュースで水曜日はこれが公開されるよ!ってメインのMillie Bobby BrownとHelena Bonham Carterをリモートで繋いでインタビューしたりのお祭りになってて、それに乗っかって、公開日に。

原作はシリーズになっているYA小説で、予告の段階からとっても楽しそうで楽しみだった。

ヴィクトリア朝の頃の英国で、16歳のEnola Holmes (Millie Bobby Brown)はHolmes家の末娘で、”Enola”はひっくり返すと”Alone” - かっこいい - で、父は生まれた時にはいなくて、ふたりの兄 - Mycroft (Sam Claflin)とSherlock (Henry Cavill)もものごころついた時はいなくて、母Eudoria (Helena Bonham Carter)の手ひとつで勉強から武術柔術からなんでも一通り教わってきて、仲よく暮らしていたのにある朝母が忽然と消えてしまう。

それを聞いた兄ふたりも戻ってきて、後見人になるMycroftは意地悪でEnolaを厳格な寄宿学校に入れるべし、というのだが、そんなのまっぴらだし、あの母が手掛かりを残さずに消えるわけがないし、と探したり調べたりするとそれらしいのが出てきたのでロンドンを目指して家出して列車に飛び乗る。そしたら車中で同様に家出してきたViscount Lord Tewksbury, Marquess of Basilwether (Louis Partridge)とぶつかって、彼を狙っているらしい刺客とのごたごたに巻き込まれて.. こんなのに構っている場合じゃないんだけど、とか言いながら..

こんなふうに行く先々でいろんな人々と出会ってはよくわかんないままいろんな危機に巻き込まれ、知恵 – 暗号解読が得意 - と勇気と度胸と腕っぷしで乗り越えたり走ったり隠れたりの活躍と殴ったり殴られたりのアップダウンたっぷりに描いて、やがて明らかになる母の失踪の謎と消息と背後に蠢く陰謀と.. みたいな話を節目節目でEnolaがこっちを向いて、ほらね!とか、見てて!とか言って向こうに走っていっちゃうのがいいの。 次の”Godzilla vs. Kong” (2021) もこの調子でやってほしい。

謎解きミステリーの要素はそんなにないし、捕り物としてのスリルもあんまだし、やられっこないのもわかっているのだが、めげずに突き進むEnolaの冒険譚がたっぷりで、母と娘の物語としても湿度が素敵なのと、母が関わっていたサフラジェットの件 - Helena Bonham Carterふたたび - も含めて転換期にあった英国の話まで出てきて、それって間違いなく今の時代の英国のことだし、とか頷くしかない。 The Viscount Tewkesbury, Marquess of Basilwetherとのことも通りすがりの.. 程度の軽さで吹っ切れていて気持ちいい。 威勢のいい女の子映画としては、こないだの”Emma.” (2020)以来だろうか。

Sherlockの出番は本家の界隈からいちゃもんが付いたりしたからかあんまないのだが、こないだの”The Personal History of David Copperfield” (2019)にもあったみたいに、もっといろんなのを自由に出してどんどん遊んでいいと思う。Mary Shelleyだって出てきていいし。シリーズにして、次はモリアティの娘だろうがワトソンの恋人だろうが現れてつるんでほしい。

でもSherlockに関しては、よい兄っぽすぎてちょっと違うかも。コカインとかやってるふうには見えないし。でも、Irene Adlerを除けばミソジニーぷんぷんだったあの世界に女性たちを連れてきたのはよいことかも。

見てから、あーやっぱりこういうの、映画館で見て、終わってからみんなであれこれわーわー言い合ったりしたいもんだねえ(実はあんまやったことないけど)、って久々に思った。家族 - 父親ぬきの - で見たってよいし。


気がつけばお彼岸を過ぎて、朝晩は暖房がないときつい日々になっているのだが、明日の朝は9月の終わりのRSD Dropなのでどうしたものか、になっている。

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