4.30.2018

[music] A Certain Ratio

21日の晩、Islington駅前のライブハウス - The Garageで見ました。

ここで17日に行われる予定だったGoat Girlsのライブ(→メンバー急病のため5月2日に延期だって)のチケットを取るときに彼らのスケジュールも見つけて、ついでに取った。恥ずかしながらまだ活動していたなんて知らなんだ。

このバンドについてはJoy Division - New Orderの隣、というかB-Sideにいる人達、という認識でそんなに熱狂的には聴いていたわけではなくて、例えばジャケットデザインがいいなー、とか。けど、そういう意味ではJoy Division – New Orderもそんなに熱狂的に聴いたわけではなくて、たぶんそれはダンスミュージックというものに対する当時の(今もだけど)距離感、というのもあって、80年代初なんて今で言うところのクラブカルチャーもレイブカルチャーも、そこらにあるもんではなくて、ツバキでNew Orderがかかっても途中で脱臼して立ちつくしてなんだこれ、ってなるのがせいぜいだった、そんな程度の。

今の、Peter HookがいなくなったNew Orderのライブがどんななのか、前とそんなに変わらないんだろうなと思いつつ、このバンドは、と調べてみるとギターとベースはオリジナルメンバーが残っているので、そんなにギャップはかんじないかも、そんな程度の。

前座のあと、20:30くらいからとあったので、20:00くらいに行ってみたら(一応、Sold Outしていた)、前座が始まったばかりで、Sink Ya Teethていう女の子ふたり組が演奏している。 ベースとヴォーカル+パーカッション+ダンスで、リズムトラックは準備してあるのを機械が流してて、これがもう笑っちゃうくらい80年代後期のダンスナンバーふう(パーカッションのカカッカカッていう合いの手とか)ばっかで、ヴォーカルの子の思わせぶりな動きももろで、なんか凍りつくねえ、と思ったら客席からの反応はとても暖かく、要は年配の客みんなが孫を見るかのように微笑んで見守っているのだった。 いや、悪くなかったけど。

本編が始まったのは21時少し前で、5人編成、曲によって女性ヴォーカルが入って、ベースのJezは歌わないときには座って演奏している。

音はこう言ってよいものか憚られるのだが、鳥肌がたつくらい気持ちよくてたまんないの。硬いとこ柔らかいとこが五月雨に交錯しながらうねっていく音数多めのドラムスに、これにぴったり張りついて唸ってのたくる重めのベースに、このぶっといやつをしゃきしゃき鮮やかに千切りにしていくギターに、その上空を埋めたり吹いたりしていく管楽器とシンセの空っぽさと。

かつてTony Wilsonが"having all the energy of Joy Division but better clothes"と語ったエナジーは結成40年を過ぎてやや枯れてきているのか、客も高齢化して動けなくなっているのでそう見えてしまうだけなのか、あるいはこういう音ってギター系のがりがりのよか風化しないもんなのかも、とか、とにかく今の彼らの耳触りのよさ気持ちよさは大したものだと思った。

知っている曲はそんなになかったけど、2曲目の”Do the Du”とか本編ラストの” Shack Up”とかアンコール1曲目の”Knife Slits Water”あたりはまだ憶えていた。12inch EPのデザインがFactoryしててかっこよかったのよね。

昔だったら芝浦インクスティック辺りでかかっていた音。今だとブルーノートとかビルボードあたりになっちゃうのだろうか。どっちにしても金持ちの行くとこで、本当はそういう音じゃないのにな、ていつも思う。クラブ系のどうどう圧迫してくるのとは違うこういう音って、これはこれで必要だと思うのになー。

まあとにかく、再発のたびに伝説ぽく語られがちなこの手のバンドがこんなふうに淡々と生きて(ライブして)いるのを見れたのはよかったかも、でした。

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