4.27.2018

[film] Big Trouble in Little China (1986)

7日の土曜日の夕方、”Love, Simon”のあとに、Prince Charles Cinemaで見ました。
爽やかに甘いお菓子のあとにこってり排骨麺を食べるかんじ。

この映画館、どういう理由なのかこの作品の70mm版上映会を割と定期的にやっていて謎すぎるのだが、この事実だけで十分よい映画館だと思うわ。(そういえばRecord Store Dayには”High Fidelity”(2000)の35mm版を上映してた。 他には”We ❤️ Greta Gerwig”て特集をやってる)

これ、日本で公開された時に夢中になって何回かたて続けに見た記憶があって、とにかくバカバカしてておもしろいから大好きなの。

San Franciscoのチャイナタウンに立ち寄って路地脇の賭けテーブルの勝負に勝ったトラック野郎のJack (Kurt Russell)が負けたほうのWang (Dennis Dun)を連れて彼の婚約者を迎えに空港に行ったら婚約者は出てきた途端にギャングにさらわれちゃって、後を追ってチャイナタウンに戻ったらお葬式の行列しながら二つの勢力が殺し合いしたり人が空から降りてきたりしてて訳わかんなくて、でもとにかく彼女を救わなきゃということでチャイナタウンの深部に分け入っていくと、そこは魔人みたいな妖怪みたいなLo Pan (James Hong)が支配している闇の迷宮になってて、Lo Panは永遠の命を得るために緑の瞳の若い娘を探して捕えて生贄にしようとしていて、Jackと一緒に探しに入ったGracie (Kim Cattrall)も捕まっちゃって、娘を救うのか地球を救うのかそんなのどうでもいいけどなんか気に食わねえぞ、みたいなノリで最後は善悪入り乱れて稲妻轟く大戦争になっちゃうの。

いちおう、チャイナタウンなので中国ぽいお化けとか妖術とかカンフーとか出てくるし、基本のアクションはたぶんカンフー、のようなのだが、ぜんぜん怪しくてこれらの記号はぜんぶわざと上滑りしているかのようで、一番強そうな敵は怒りながら風船みたいに膨らんで自爆しちゃうし、決めはナイフ投げだし、音楽はJohn Carpenter先生がシンセでびょんびょん中華三昧だし、隅から隅までいいかげんでめちゃくちゃなこと夥しい。そのノリが中国何千年をチリトリにぽい、してしまう痛快さ。

こういうごちゃごちゃの、典型的なB級アクションを70mmで見る意味あるのかというと、とにかくすごい迫力と勢いで争いに巻き込まれて地下迷路をひーひー逃げ回りたくなるので、見てみるといいよ。

あとは、Kurt Russellのトラック野郎の匂いたつような大雑把で適当なノリ、ぜんぜん強そうじゃなくてべらべら喋ってるだけなのに気がつけば勝っていてかっこいいっていう不思議。
ついでに、このひとが約10年後、NYに現れて性の妖気を吸いまくるSamanthaとして世界に君臨することになろうとは、のKim Cattrallも楽しいし。

これを見た頃って、この世界は”Gremlins” (1984)のあそこと繋がっているのだと思っていた。この頃の「世界」ってそれくらい謎にあふれた、しかし適当に出来あがったやつだったし、San Franciscoのチャイナタウンなんてぜったいやばいよね、だったのに、いまやあそこのチャイナタウンは世界のチャイナタウンのなかでは一番おいしい素敵なとこだと思っていて、あーまた行きたいよう、になのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。