8.13.2017

[film] Howards End (1992)

6日の日曜日、”The Railway Children”を見て終わってそのままBFIの廊下を走り抜けNFT1のでっかいホールに飛びこんで見ました。 ちょうど始まるとこだった。日曜の午後、英国の田舎シリーズ。

25th Anniversaryで4Kリストアされたやつがリバイバル上映されている。
日本で公開された当時は渡米の準備のばたばたで見れなかったことを憶えている。 E.M. Forsterの原作は未読。

タイトルの前のクレジットで、バブルの名残だろうか、当時資本参加していたらしい日本企業の名前がでてきて少し恥ずかしい。あんたたち誰?いまなにやってんの? みたいな。 まあ、Cool Japanとか言って数十億(の税金を)ドブに捨ててるあの件よかまだましか。

Helen Schlegel (Helena Bonham Carter)が田舎のHowards EndでそこのぼんぼんのPaul Wilcoxから婚約の約束をもらって舞い上がって実家に連絡したけどFakeだったのあらら、ていうのが冒頭で、そこから延々続いていく都会(ドイツ起源)のぱきぱきしたSchlegel家と田舎で鷹揚でどんくさいWilcox家の確執、というか腐れ縁の数々と、そこに絡んでくる別の層で暮らすぱっとしないLeonard (Samuel West)とSchlegel家のお話と。

老いた当主のMrs. Wilcox (Vanessa Redgrave)とHelenの姉のMargaret (Emma Thompson)、MargaretとHenry (Anthony Hopkins)といったMargaretと軸に動いていく話と、HelenとPaulあるいはLeonardを軸に動いていく話と、どちらにしても都会と田舎、老人と若者、高慢と偏見、土地、階層、などなどを巡る、今の我々でも想像しやすいあーあ、なバタ臭いお話が次々と交錯したり捩れたりしていくのだが、これらの渦の真ん中に広大で、でも朽ちかけたHowards Endを置くことで結局ぜんぶ沈んじゃうのよね栄枯盛衰なのよね、なかんじが出ていてよいのと、そうは言っても想ったり願ったりした方にはなかなか転がらずに変なツイストが入ったりとか、時間の描きかたも含めてなんかバランスがよくないのだがそういうところも含めて最近の英国的(or アメリカ人が描いた英国的)な、どうにも嫌いになれない微妙な作品になっているところはあるかも。
それは多分にEmma Thompson とHelena Bonham Carterの姉妹のぷんぷんに生きている魅力によるもの - このふたりだけがほんとに生きている - だと思うが。

ポスターではWhit Stillmanが絶賛しててあーなるほど、て思った。

James Ivoryの20世紀 - “A Room with a View” (1985)とか”Maurice” (1987)とか、もう一回見直してみたいなー。 当時ですら中味なんもないけどきれいだなー、と思ったあの世界はいま、どんなふうに見えるのだろうか。

あと、Helena Bonham Carterの髪の毛、ほんとすごいなー。

これが25周年、ていわれてもそうかー、て思うだけだけど、...And You Will Know Us by the Trail of Deadの”Source Tags & Codes”とかBright Eyesの”Lifted or The Story is in the Soil, Keep Your Ear to the Ground”が15th .. といわれるとちょっとだけぞっとする。 おいおいおい。

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