9.16.2016

[film] Suicide Squad (2016)

10日の晩、六本木でみました。

横浜でメアリー・カサットみて、神保町で「めぐりあう日」をみて、母子の情愛にじーんとしたあとで、これを見るとなかなかぐったりした。

極悪人とか極変態ばかりが収容されている地の果ての監獄があって、そこの何人かの囚人を極秘プロジェクト用にリクルートする、ていう話を進めている政府の偉いおばさん(Viola Davis)がいて、その話のなかで極悪人もしくは極変態のプロファイルとか捕まえたときの経緯 - バットマン(Ben Affleck)が出てくる - が流れて、じゃあこいつらはなにをやるんだ、というとメキシコの山奥の洞窟で発掘された古代の魔女の話が出てきて、バットマンじゃあかんのか? とか思いつつも、逆らったり逃げたりしようとしたら首に埋め込まれた爆弾がふっとばすからね、と言われた囚人たちは軍の大佐(ややこしいのだが、魔女 -  Enchantressがのっとるのがこいつの恋人の体なのね)の指揮下で魔物狩りに乗りだすの。

囚人たちは鉄砲撃ち名人(Will Smith)とか、凶暴で手がつけられないあばずれ娘Harley Quinn(Margot Robbie)、とか、でっかい爬虫類みたいなのとか、火炎放射男とか、オージー(野蛮なだけ)とか、日本刀ふりまわす仮面女とか、そんなので、射撃男の一人娘とのエピソードとか、あばずれ娘とJoker(Jared Leto)の愛と絆、とか、火炎放射男のあたたかい家族の話とか、も紹介される。

魔女のほうは唯一の弱点だった心臓を人間から取り戻して、そこらの人間たちをゾンビみたいな自分の手下にして、その数をどんどん増やしていってゾンビまみれにして、更に世界を滅ぼす武器も作ろうとしていて、人類危うしなのはまちがいないの。

古代からの封印みたいのが解かれて、邪悪ななにかが急成長して世界がピンチになったときに世界の端っこにはじかれていた連中がより集まってそいつらをやっつける、というと、こないだの”Ghostbusters”がそうだし、”X-Men”だってそうだし、古代から来るやつと宇宙から来るやつにもう並みの人類は勝てないってことね。

で、そいつらと割とガチで戦うのがX-Menで、意外な飛び道具と冗談のミックスで乗り切ってしまうのがGhostbustersで、これはノリのあんまよくない不良のX-Menみたいなかんじ。 同じ不良犯罪者でもDeadpoolみたいに小気味よくちゃらちゃらやってくれればよいのだが、ひとりひとりのいろんな事情があるらしい、といちいちカメラは立ち止まってクローズアップしてあげる。

“Suicide Squad”なんだし、どうせ死んじゃう運命なんだし、と死を恐れない無軌道なならず者共が、好き勝手にむちゃくちゃをやって、気がつけば辺り一帯まるごと蹴散らしてそのまま暴走して地の彼方に消える、ていうのが理想に決まっているのに、なんかそれぞれがそれぞれののストーリーとか過去とかに引きずられて、なんかしめしめして重くなっているかんじ。 そんなに語りたいのか、見て聞いてもらいたいのかー。

いっそJokerとHarley Quinnの狂恋爆走ドラマにしちゃえばよかったのに。
このふたりのぶきちれたとこだけ、ストーリーから妙に浮いててよかったの(よくもわるくも)。

音楽は新旧のこてこて系名曲をやたら豪勢に贅沢に流しているのだが、なんか使いかたもったいないかも。
“Bohemian Rhapsody”をあんなとこで切っちゃうとかさ。

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