9.26.2016

[film] Munkbrogreven (1935)

19日、連休さいごの月曜日、渋谷のスウェーデン映画祭でみました。
ここんとこ見ていたのは新しい映画ばかりで、シネマヴェーラの「映画史上の名作x」にも行けなかったし加藤泰も終わっちゃったし、なんとなく古いのに飢えていたの。

『ムンクブローの伯爵』。 英語題は“The Count of the Old Town”。

ストックホルムの下町(ぽい)、ムンクブローで夜中の泥棒が相次いで、そいつはここんとこ新聞を賑わせていた大泥棒らしく、町をぷらぷらしているおっさんたちはあいつが戻ってきた!ってざわめくのだが、丁度そのタイミングで"City"ていうホテル - 下宿屋にひょろっとした若い男(監督のEdvin Adolphsonが兼務)が宿を求めて現れて、金払いもいいし、でも何やって稼いでいるか言わないし、あいつなんか怪しいんじゃねえか、というかんじになる。

その"City"に部屋を取って暮らしているのがエルザ(Ingrid Bergman)で、なれなれしく部屋に入ってくる彼に、あたしの目はごまかされないから、逃がさないんだからね、ていう顔で睨みつけたりしていて、他に「伯爵」 - ほんもんの伯爵ではなくて、そう呼ばれているだけで、日本だと「殿様」とかになる - ていう新聞社で日雇いしているおっさんとか、ひゃらひゃら笑う仲買のおっさんとか、おっかない魚屋のおばちゃんとか、朗らかにてきとーに日々を過ごしている長屋の連中の間で巻き起こる恋騒動とか泥棒騒ぎとかを明るく楽しく綴るコメディなの。

昼間から酒飲んで酔っぱらって or 酔っぱらいたくてへらへらしているおっさん達とか、普段はがみがみうるさいけど恋愛になるとしおしおになるおばちゃん達とか、当時19歳のイングリッドは当然のようにみんなに大切にされて愛される町のお嬢さんで、こういう長屋もののキャラクター設定て、世界のどこでもだいたい同じようになるのはなんでなのかしら、て感心する。

なので極めて安心して見ていられて、ハートは盗られてもお金は盗られないんだから、とか、多少うざったがられても傍にくっついておくべし、とか、いろんな教訓とか格言みたいのを残して最後はめでたしめでたし - 町をあげてのパレード - になっておわる。 これまで見てきた古いスウェーデン映画のような漆黒の陰謀のかんじはぜんぜんないの。

バーグマンさんは全体に大柄で堂々としているのは既に、で、まだむっちりみっしりしたかんじで、その後あそこまでの大女優に変貌してしまうかんじはないのだが、でも朗らかで楽しそうでそれだけで十分なかんじ。 目はとってもパワフル。

町中はごちゃごちゃしていても、建物の上の空は高くて遠くて、そこだけで北欧映画だなあ、てわかるのもよかった。

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