10.05.2015

[art] Wolfgang Tillmans - Your Body is Yours

順番が少し前後するけど、写真関連ということで続けて。
18日の金曜日のごご、大阪に行って40分しゃべる/しゃべれという仕事があって、これを見れるかもしれないのなら、ということで受けて行ってきた。

もちろん、大阪なんて生まれてから5回くらいしか行ったことないのでぜんぜんわかんなくて、でもGoogle Mapって便利だねえ(← 最近ようやく覚えてきた)とか言いつつ、国立国際美術館(← へんな名前)にたどり着いた。

日本の美術館では11年ぶりとなるらしい個展。
でっかいのも小さいのも写真アートみたいのもスナップみたいのも切り抜き帖みたいのもある。

写真のありようをものすごく大雑把に自分をとりまく世界をとらえるやつと世界に立ち向かう自分をとらえるやつに二分してみたとき、あるいはランドスケープとソーシャル、メディアとコンテンツ、具象と抽象、メジャーとマイナー、みたいな市場にある二項で切ったり割ったりしてみたとき、Tillmansは圧倒的な物量でもって、それら全部、と言おうとしている。 パンクもハウスもヒップホップもノイズもジャズもオペラも、全部を片っ端から垂れ流しにしていくラジオ局みたいに。

世界は目に見えないゴミやノイズも含めて可視化される必要がある。なぜって世界はめまぐるしく変わっていくし、政治もメディアもみんなうそつき(→ Truth Study Center:テーブルの上で簡単に手に取れる真実)だし、ひとりひとりの眼が見ているものはそれぞれの現実に応じて全部違うからだ - そういう流れのなかでなにかが歪んで変な方に向かっていやしないか? -  ていうのがおそらく彼の”Neue Welt”という考えの根底にはあって、彼はその徹底的な可視化を写真を使って世界のあらゆる場所で、全面的に仕掛けようとしている。 だからそこにはインスタレーションも含めて、今の写真と呼ばれるメディアが捕らえうる、形づくることができるあらゆる「世界」の形象が、約束事が、レイアウトが、とりあえず、のように並べられ、重ねられ、束ねられている。

でもさー、だからどないしろっちゅうねん?  ていう問いに彼は明快に答えるだろう。
“Your Body is Yours”  - あんたの身体はあんたのもんや、と。 売りもんちゃうで、と。

(展覧会を大阪でやったのはこの辺のニュアンスを伝えたかったのではないか  - 大阪弁じゃなかったらごめんなさい)

なんでそこまで?  Tillmansにとって写真とはそのための、そういう装置だから、としか言いようのないなにかが漲ってとぐろを巻いている。

鈴木理策の展示と同じように会場をぐるぐる3周くらいして見えてくるものがあって、Webのアーカイブとかで見ればいいってもんじゃないんだねえ、とおもった。
カタログは太いゴムバンドで束ねてあって、このゴムが例えば5年後にどんなふうになるか、よね。

蒸し暑い午後で、仕事はぜんぜんだめだったが、帰りに川に浮かんだでっかいあひるを見て和んだ。

帰りの新幹線に乗る前にイカ焼き、ていうのを買って車内で食べた。 バナナみたいに剥いて食べてください、と言われたのだが、そうしたらやっぱしシャツにソースが飛び散って泣きそうになった。 イカ焼きはバナナではない、よね。

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