8.14.2013

[film] 2 Days in New York (2012)

10日の土曜日の昼、2週間ぶりに映画館で映画みました。

3日の土日は花火大会だったのだが、あんず飴の屋台が激減していたのがとってもショックだった。 しかもすももが売り切れていたので泣きそうだった。

『ニューヨーク、恋人たちの2日間』。 でも恋人たちのお話ではないし、2日間どころかこれまでの全人生ばちかぶり、みたいなお話なの。

Julie Delpyの監督作品としては"Le Skylab" (2011)に続くもの、都市探訪ラブコメとしては"2 Days in Paris" (2007)に続くもの。
"Le Skylab"は田舎めがけて家族がばらばらと集まってくるおはなし、"2 Days in Paris"はJulieの実家に彼を連れていくおはなし、"2 Days in New York"は、実家ではないけど生活の根城にJulieの家族がやってくるおはなし。 どれも異文化衝突 vs LOVE、ということでよいのかしら。

アーティスト(Cindy ShermanとかNan Goldinとか参照されてた)のマリオン(Julie Delpy)は、ex彼の子供連れで、Village Voiceに記事書いたりコミュニティラジオのDJしたりしているミンガス(Chris Rock)と暮らしてて、そのアパートにマリオンのパパ(Julieの実のパパでもある。68年世代)と妹(エキセントリック)と妹の彼(ちんぴらでぽんくら)がくっついてやってくる。

英語をまったくしゃべらないパパをはじめ、異国のあれこれを/にアジャストするつもりなんか毛頭なく勝手に振る舞いまくる連中を束ねつつ、NY観光に連れていって食べものの面倒を見て、同時に自分のガキと彼のご機嫌も取らなければならない、その気苦労はリアルにしぬほどよくわかる。  それらをSATCのキャリー風のナレーションと下ネタだしまくりで、ぱきぱき捌いていくところはごくごくふつうのコメディとしておもしろい。

自身の個展のオープニングで、「作品」として売りにだした自分の魂、それを$5000で購入した「無名」の人物 - Vincent Gallo - との対話のところだけ、まったく異なるテンションで真剣で、やりたかったのはこれなのかも。

魂は不滅だというけど、そんなの信じられない。 それを不滅だというのなら、なんで時の経過と共に人はくっついたり別れたりを繰り返さなければならないのか、時間の経過と共に辛い思いをいっぱいしないといけないのか、父親は老いていく、自分も老いていく、子供は生まれてくる、魂は移ろい彷徨っていく、そんな不安定な魂なんかいらないから、売ってやる。 ていうマリオンにたいして、おれはあんたの魂を買ったんだからつべこべ言うんじゃねえ、というギャロ。 で、ふたりはとっくみあいの喧嘩になるの。

"Le Skylab"にも、年寄りと子供たち、そして大人たちの楽しいやりとりのなかに、なんでこれが続いていかないんだろう、みんな天気みたいに変わっていくんだろう、という寂しさと切なさがあったし、こないだの"Before Midnight"では、自分の監督作ではないのに、ストーリーを引っぱっていったのはそんな「魂」と「場所」に対する彼女の痛切な思いに他ならなかったような。

ラスト、くそったれ共に対する鳩の糞爆撃も含めてね。

この魂売りのエピソードだけ変に浮いているしぎこちないのだが、それゆえに、Julie Delpyってすてきだなー、とあらためておもった。
相手役としてChris Rockはどうなのか、と少し思ったけど、ミンガス役は彼を想定して書いたというし、彼とは誕生日がおなじだから憎めないの。

New York観光映画としてはあんなもんかしら。 ちゃんとしたクロワッサンが食べたい、というパパに持ってきたのはLe Pain Quotidien のやつだった。
いまだと、Maison Kayserなんかもあるんだねえ。

2003年8月14日、北アメリカ大停電から10年かあ …   ぅぅぅ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。