8.19.2012

[film] The Shop Around the Corner (1940)

シネマヴェーラに逃げこむ(しかない)夏の日々は続く。 11日の土曜日の昼間に見ました。

最初に見たのが"Zamba" (1949)っていうやつで、母と子 - 6歳くらいのガキ - がアフリカ上空を飛行機で飛んでいたら突然そいつが故障してパラシュートで降下するのだが、母と子はジャングルで離ればなれになって、子のほうは落っこちたショックで記憶を失ってZampa - ゴリラのでっかいみたいなやつ - に世話になるの。 母のほうは現地で働いている妹の助けとかも借りつつ(でも水浴びとかして優雅に遊んでる)、子供を探しに出て、Zambaにも遭遇して、というお話しなの。
高慢ちきな白人至上主義がこれでもかと滲み出てくるなかなかのあれで、母親もガキも相当やなやつらなので、そんなガキにこき使われて捨てられるZambaがかわいそうでしょうがない。 よかったのは動物がいっぱい出てくることくらい。

さて、個人的には今回の特集の目玉のひとつだった"The Shop Around the Corner"。
最初に見たのは80年代の日比谷映画(たしか)かあの辺でリバイバル上映されたときで、このときの邦題は『桃色の店』だったか『街角』だったか。
すでにルビッチの映画は『生きるべきか死ぬべきか』で知ってて、で、ルビッチおそるべし、を改めて決定づけてくれた1本で、米国に行ったときもVHSで出ていたやつをすぐ買って何度もみた。

ブダペストの町の一角のギフトショップで家族のように働いている店員仲間に新人Klara (Margaret Sullavan)が加わって、番頭格のAlfred(James Stewart)と彼女はお互い犬猿の仲になるのだが、ふたりともそれぞれ自分にとってパーフェクトな文通相手がいて、どっちも彼 - 彼女に比べたらあんたなんか、あんたなんか、 わなわな - ぷん! てなるの。 そっから先はいいよね。

職場の人間関係あれこれとふたりの間のつんつんが、大きな事件や出来事を介することなく、オセロゲームのようにぱたぱたと反転していって最後に真っ白なクリスマスになだれこんでいく、それはほんとにホワイトクリスマスの魔法みたいに見えて、でもこれって魔法じゃないんだよ、って映画はいうの。

ふたりが最初にカフェで接近・交錯するシーンの窓越しのどきどきはらはらなんか、ほんとに素敵なんだよ。 この瑞々しさ、こんなのが防腐剤不要で70年以上前からあったなんてしんじらんない。
ソーシャルメディアうんたらとは関係なしにしといて、とりあえずいい。

キリンみたいにひょろっとチャーミングなJames Stewartがすばらしくよくて、わたしにとってのJames Stewartはここが基準線なので、この後の西部劇とかの彼はあんまこないの。

"You've Got Mail" (1998)もさあ、この映画のリメイクとか言わなければあんなに貶されることもなかったろうに、とか。 

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