8.10.2012

[film] Breaking Away (1979)

30日の月曜の夕方、みゆき座の午前10時のなんとか、で見ました。
窓口で、「『ヤング・ゼネレーション』をいちまいください」という。

70年代末だろうと80年代だろうと90年代だろうと、青春ドラマはできる限り見ておきたくて、それってなぜなのか、と。 なにかを肯定したいのか否定したいのか。たぶん。
行ったこともないアメリカの田舎町の若者たちのドラマを見て、それを例えば懐かしいと感じる、例えば喪失感を覚える、それってなんなのか、どういうことなのか、をよく考える。 
これって「映画史上の名作」を見たり、クラシック・ロックの名盤を掘ったりするのとはぜんぜん違うし。
例えば90年代の、"Reality Bites"(1994)で言われていたような"Reality"って、当時はなんだったのか、今あれを我々はどう見るのか、とか。

Indianaの大学がある町、かつては石切場で栄えた町でずっと育ってきた4人の男の子(Dennis Christopher, Dennis Quaid, Daniel Stern, Jackie Earle Haley)の、それぞれのおはなし。
みんなひとりひとり、このあと町を出て就職するか、とか大学行くか、とか、近所の大学で楽しそうに過ごしている学生たちを横目で見ながら、それぞれのどんよりがあって、地元で育った彼らは大学生達からは"Cutters" (石切職人の子達だから)と呼ばれて蔑まれていて、更にもやもやしていく。 この時期に植えつけられたクラス感とか、境界のイメージって、決定的なものだよねえ、とか思いつつ。

自転車とイタリアにかぶれているDave(Dennis Christopher)と彼のパパとママのエピソードがメインで、最後は彼と仲間が"Cutters"チームとして地元の500マイルレースに出て、4人は必死になってがんばってレースに勝つの。 
仲間との幸せな時間があり、挫折があり、修復があり、復活があり、それから。 
季節は夏で、石切場跡の貯水池に飛びこむ。

Dennis Christopher以外もよくて、Dennis Quaidはとんがってぴちぴちだし、Daniel Sternはこの頃からみんなにぼこぼこにされるキャラだし、Jackie Earle Haleyは、まだ子供なのにすでにささくれはじめていて、この顔がやがてFreddyとかRorschachに変容していくのだなあ、とか。

あとはパパ(Paul Dooley!)とママがなんかいいのよね。 ママが涙浮かべてうんうんするところとか。

自転車の走行にクラシック音楽があんなにマッチするもんだとは思わなかった。

あとは、自転車も飛びこみ先の石切場もない子供たち、というのを考えてみたり。
ついでに、ぜんぜん接点はないかもだけど、よりダウナーなうだうだ系としてのJim Jarmuschの最初の2本について考えてみたり。

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