3.21.2012

[film] Sabrina (1954)

先週はなかなか殺伐とした映画が続いていて、情緒あれこれも同様に引き摺られてて、天気もひどすぎて、このままではなかなか相当よくない感じになりつつあったので、ちょっとは和めるかんじのも見ておこうと、金曜日の帰り、みゆき座でみました。 
午前10時の映画祭の映画を午後8時にみる、と。

Audrey HepburnもHumphrey BogartもWilliam HoldenもBilly Wilderもみんなそんなに好きでもないのだが、なんとなく。
Wilderって、基本はストーリーを語るひと、脚本を書くひとであって、彼に心酔するひとはその語り口とかドライブのしかたにやられてしまうのだろうが、転がし方がなんか暗いし、わざとらしいし、エロくないし、Wilder見るんだったらLubitschのが断然だよねえ、だったの。 
Wilderで一番好きなのって"The Major and the Minor" (1942) - 『少佐と少女』とかだし。

このSabrina、お話は一見楽しそうだし、なんも考えずに見ている分には楽しいのだが、なんかやっぱし変かもねえ、とか。
子供の頃からずーっとDavidのことが好きで、パーティの時に彼と彼が女をテニスコートで口説いているとことか全部見てて、それでパリに行ってからもずーっと彼のことを想い続けてて、洗練されたレディーになって戻ってきて彼と一緒になろうとする。

それって、よくよく考えるとなんかこわいんですけど。
折角パリに行って、周りにいろんな機会もいろんな男もいっぱいあったりいたりしたはずなのに、それもこれもぜんぶ断ってDavidのためだったとことか。
そして、そんな変な娘にみんな流れていくのも奇怪だ。 上流階級なんてそんなもん、かもしれんが。

べつにそこらのラブコメみたいにへらへら見て流しておけばよいのだろうが、そのへんが引っかかってあんま笑えない。Wilderが好きなひとはこのへんのとこをウィットとか苦みとかゆって、そこがたまんないのかなあ。

Humphrey BogartがCary Grant(ほんとは彼の予定だった)だったらなあ、とかね。
でも、彼がAudreyに最初にキスしたときに、彼女の首筋が動物みたいにぴくっと動くとこは好きだ。(嫌だったのかしら彼女)

95年版のSabrinaもそんなに嫌いじゃない。
でも、Julia Ormondはなんか輝きが消えてふけちゃったよねえ。 
彼女、今週公開のMarilynのでVivien Leigh役で出てくるけど、そうかあ?だったし。

それにしても、このシリーズの予告で『月の輝く夜に』が流れて、その次の本篇までの間に、『月の輝く夜に』と『麗しのサブリナ』の間に、映画泥棒のCMを挟む神経がぜんっぜんわからない。 こっちが泥棒に入られた気分だわよ。

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