3.26.2012

[film] For Heaven's Sake (1926)

土曜日、引き続きシネマヴェーラでサイレント特集みました。

最初のがグリフィス短編集で、わたしはグリフィスも映画史もぜーんぜん知らないのだが、でもおもしろかった。
上映されたのは以下の5本。 どれも100歳を超えている映画とは思えない若さ。

① The Renunciation (1909) 『断念』
② The Battle (1911) 『戦闘』
③ The Musketeers of Pig Alley (1912)  『ピッグ横丁のならず者』
④ The Girl and Her Trust (1912) 『少女と責務』
⑤ The New York Hat (1912) 『ニューヨークの帽子』

①はひとりの女性をめぐって決闘をすることになるふたりのぼんくらの挙動とその繰り返しがおかしいし、②は戦闘のただなかの混乱がそこらの大河ドラマの100倍はかっこよいし、③はならず者たちの顔がまあすごいし、④は汽車がむきになってトロッコを追っかけるとこが楽しいし、⑤はMary Pickford vs そこらのおばさん、がすてきだし、どれもそのまま中長編にできそうなスケールのでっかさでこちらに向かってくる。

③のブタ横丁のは、映画史上初のギャングもので、ロケのときのエキストラにはリアルギャングがいるって、imdbに出てた。 ほんとすごいんだよ、出てくる連中の目つきと目配せでぞろぞろ抜けていくとことか。 ぜんぜん堅気じゃないの。

あと③とか⑤はNJのFort Leeの撮影所で撮られているって。 この頃はあそこに撮影所があったんだね。

続いてみたのが、"For Heaven's Sake" (1926)。『ロイドの福の神』。

キャスト紹介がおもしろくて、The Uptown Boyがロイドで、The Downtown GirlがJobyna Ralston、ロイドは洪水のようにじゃぶじゃぶ金を使えるおお金持ちで、彼女はダウンタウンで浮浪者向けに伝道兼慈善事業でコーヒースタンドをやってて、ある日ロイドが誤ってそのスタンドを燃やしちゃった弁償で$1000の小切手置いていったのを寄付だと新聞に書かれて、そんなのするもんか、て文句つけにいったらそこにいたDowntown Girlに一目惚れしちゃうの。

コーヒースタンドは寄合カフェみたいのにリフォームされて、ひともいっぱい集まって(もちろんほとんど事故でだけど)、幸せになったふたりは結婚することにする。 Uptownの彼の仲間はそれを快く思わなくて、彼を改心させるべく式の当日に彼を拉致するの。
で、お祝いに集まった浮浪者連中は酔っぱらって怒りくるって、社交クラブに乗り込んでいって...  そっから先はわかるよね。

いろんなボタンの掛けちがい、小さな火の不始末が延焼していって大惨事の大火事に、というあれよあれよとコトが転がっていく楽しさと、それを適当な顔とふりで、でもありえないようなアクロバティックな身のこなしで、ひょいひょい片づけていく(で、そのお片づけも惨事の一部にぐるぐる巻かれていってしまう)爽快さがいつものようにたまんない。

この作品だと、社交クラブに乗り込んでいった5人の酔っ払いをロイドがなんとかバスに押しこんでがんがん走っていくとことか。
バスも酔っ払いも、なにひとつ制御できない、なのにとりあえずなんとかなってしまう、みんな幸せなとこに狙ってもいないのに超特急で転落していく、このいいかげんさがすんばらしい。

ここのUptownとDowntownはNYのそれではなくて、たぶんロスかどこか。
でも、リフォームされた浮浪者カフェは、どこかしらSOHOのUsed Book Cafeに似ているのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。