3.03.2012

[film] The Phantom Carriage (1921)

26日の日曜日、恵比寿の映像祭の最後のプログラム、『霊魂の不滅』の上映+Jim O'Rourkeのライブパフォーマンス。 これは前売りを買っておいたの。

1時間半の映像に15時間分の音源を用意してきたそうで、まあ、不滅の霊魂に立ち向かうにはそれくらいの気合いと覚悟がいった、ということか。

冒頭、いきなりCriterionのロゴがでたのでずっこける。
字幕もないし、素材がDVDなら、お代の1500円はほぼJimの15時間分に行くってことね。
いいけど。 "How Physical" だしな。

死の床にある救世軍の女のひとが、気にかけていたごろつきのろくでなしを更生させるまでは死ねない、っていうの。
で、このごろつきは大晦日に酔っぱらいながら、しってるかおめえ、大晦日のカウントダウンの直前に死んだやつがその翌年の死人を馬車に呼びこんで回収してまわることになるんだぜ、とか言っていたら、自分が喧嘩でやられてそれになっちゃうの。
で、死神に連れられて救世軍の女のひとのとこに行って、それから自分の家に。そこには貧しさのあまり疲れ果てた自分の妻とふたりの子供が・・・

監督のVictor Sjöströmが主演のろくでなし - David Holmを演じている。

全体のトーンは真面目なのだが、ひとの情と因果応報がぐるぐるまわるとこはなんとなく落語の怪談モノみたいなかんじもして、このへんはSwedenかも。

亡霊とか体から抜け出した霊魂がするする透けてみえるところは絵としてとっても美しくて、その重なって、でも決して埋まることのない決定的な溝と隙間に、Jim O'Rourkeの電子音響はごろごろがりがりと、時に不機嫌に、時に優しく攻めいっていくのだった。 気持ちいかった。

でもタイトルが"The Phantom Carriage"とか「霊魂の不滅」だったりすると音楽はメタルでもよいのかも。彼の地の、あのメタルとか。

ベルイマンはこの映画を「映画のなかの映画」て呼んで毎夏見続けていた、というのはなんかわかるの。 で、こないだから"Fanny and Alexander" (1982)をひさびさに見たくてしょうがなくなっている。

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