7.26.2021

[music] 叛五輪音楽祭・東京五輪獣

コロナ禍で亡くなっている人も苦しんでる人も絶望している人も大勢いるのに、いることがわかっているのに、ニュース速報で日本人がメダルを獲っためでたい! って浮かれて騒いで番組表の8割を五輪の日本人がんばれで埋めてしまう異常と狂気 - これもわかっていたこと、だけどだからこそ開催すべきではなかったし今からでも中断して人命救助を優先すべき。イチオクソウハクチカ。くそったれ。

7月23日金曜日の夕方、何年ぶりだかの下北沢に行ってシャングリラで見て聴いた。いまは映画の感想ばかり書いているしクラシックやジャズも聴くようになったけど、自分のエピタフはずっとすれっからしのパンクだと思っているので、こういうライブには行く。ほんとはデモにだって行きたいのだがずっと体調がよくないのでこういう形にのに行くしかない。ライブハウスでのライブは久しぶりで、昨年3月にKentish Townで見たMarika Hackman以来のー。

太陽肛門スパパーンのことは知らなかった。バンド名から原爆オナニーズとかほぶらきんとかと同系のかと思っていたらずいぶん違っていたかも..

開場17:00、開始は17:30で、入ったらOMDの”If You Leave”とか流れていて、まず花咲さんがライブの主旨 - いちおう、太陽肛門スパパーン二枚組LPレコード「円谷幸吉と人間」発売記念ライブ第一弾 - と、宣言のようなものを読みあげて、PANTA + 澤竜次のデュオ。PANTAさんを見るのは軽く30年ぶりくらいだと思うが、クリスタルナハトからの3曲も「7月のムスターファ」も「さようなら世界夫人よ」も変わらずすばらしいねえ。

続いて自分にとってはデリダの人である鵜飼哲さんとRIO周辺の人である竹田賢一さんのトーク。今回のがいろいろどうしようもないのは、そりゃ今回の発案が筋金入りレイシストの石原慎太郎だったから、というのと、そもそものクーベルタンからしてどうしようもない輩だし、というのと。ほんとにいったい「アスリート」ってなんなんだ? という疑念は日増しに高まっていく。いいかっこしい/いったもんがちの無能な政治家とたいして変わらない挙動に待遇に。それに群がるスポーツ・ジャーナリズムの愚鈍ぶりも込みで。人がばたばた死んでいるその傍でよくお祭り騒ぎして「感動」とかやってられるよな、ていうほんとうにシンプルな疑念。恥知らず。

続いての灰野敬二さんは若者の3ピースをバックにして彼がヴォーカルをとる - ギターを抱えていない彼を見るのは初めてで、でもハードコアであることは変わらない。”My Generation”や"(I Can't Get No) Satisfaction"といったスタンダードが抱えていたであろう熱や葛藤をがきがきの硬度と強度で再構築した耳にくるブルーズ。一曲がもう少し短くても、と少しだけ思ったけどこれはハードコアだからいいのか。ラストは”I Shot the Sheriff”で、”I Shot Mee..” という叫びで終わる。

トリの太陽肛門スパパーンは、まずステージびっちりの人数規模に圧倒される。弦を持った人は盛装してるし、白割烹着の女性たちもいるし、でもフロントに立つホーンの男性たちはだいたい白ブリーフいっちょうで目のやり場をどうするか。あとで調べるとずっとそういうスタイルでやっているらしいのですごいな、って。

ビッグバンドゆえの座布団の膨らみと広がりはすばらしく、飛び道具の鋭利さはないぶん、ばすんて叩かれれば後からじんわり来るやつで、フォークでも歌謡でもヒップホップでも気持ちよすぎでこれなら3時間でも聴いていられたかも。 でも具合がよくなくなったので21時くらいに抜けて家に戻り、床にのびた状態でなんだこれ?の開会式を眺めていたら寝てしまい、気がついたら終わっていた。

今回の辞任・解任騒動について90年代の自虐、露悪、(サブ)カルチャーと結びつけて云々、を見かけたけどそれはあまりに雑な括りだし文化の特定の領域(だけ)を貶めて終わり - に繋がりかねないので、時間をかけてきちんとやるべき、と思って、いまここのポイントはこれら彼らを(今に生きる)誰がどんな事情と経緯で表に出そうとしたのか、その背後にある責任と金と権力のありようだと思う。これも歴史があって根の深い日本のやっちまえ文化の流れにある、誰もがよく知るあれら、なのかもしれないけど、ここで誰がどうしてをきちんと総括しておかないと、ずっとアンクールジャパンのままになるよ。もう十分なっているしどうでもよいけど。

ということ以上に、まず、目の前のめちゃくちゃな茶番とか混乱をどうすべきなのか、どうしたら目の前の人の命の危機を救えるのか、という方が。いまの状態って、ほんとにこれでよいと思っている? そう思わないとしたら誰が何をすべきで、その優先順位は? などを、始まっちゃったから(←ほんとひどい言い草よね)とか利害関係とか(とにかく金に落としたがりすぎ)一切抜きにして、正義とか善とか「悪」とか、そういう観点から真剣に議論してほしいし間に合わないのであれば総括してほしい。いまの組織委員会とか今のと前の総理とか自治体の政治家とか、はっきりと然るべき場で裁かれるべき連中ではないのか。なんの実効性も伴わない「宣言」のみでなんもしない無策無能のまま基準やルールをころころ変えて市民の安全を危険に晒している、という点で。

オリンピックの意義とか意味は言うまでもない。あんなの今後一切やめてしまえばよい。ただのいろんな広告塔(候補)でしかない「アスリート」とか、それを仕切る「代理店」の再定義とかあんた誰? を含めて。なにもかも空っぽで有害でしかないことがよくわかったし。日本がメダルをいくつ取ろうがごまかされてはいけない。夢も感動も関係なし。失敗は失敗だって。
(連中は別のお花畑しか見ていないからなー、ほんとしょうもない)


というのとは別に、とにかくあなたはお片付けをしろ。紙に埋もれてしぬぞ。

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