7.20.2021

[film] Mortal Kombat (2021)

7月11日、日曜日の晩、新宿ピカデリーで見ました。

こういう格闘ゲームの映画化みたいのについては格闘もゲームもまったく興味ないので見てこなかったし、見てもおそらく理解できないのだが、この映画についてはキャストを見るといろんな国籍のひとがばらけて入っているし、撮影風景みたいのも楽しそうだし、なによりもいま映画館で見たい映画がちっともないので、見てみようと思った。その程度で、過去にもいっぱい映画化されてきたことは知っていたけど予習とかは一切しないで。

17世紀の日本で、侍のHanzo Hasashi (真田広之)の妻と子供がどこからか現れたBi-Han (Joe Taslim)によって氷漬けにされて殺されて、Hanzo自身も激闘の末殺されちゃって、妻子が床下に隠しておいた赤子だけ、天から降りてきたLord Raiden (浅野忠信)によって助けだされてどこかに連れ去られる。

時は現代のシカゴに移り、ストリートファイトをやったりして妻子を養うCole Young (Lewis Tan)はそんなに強くなくて、そこにBi-Han/Sub-Zeroが氷を散らしながら突然襲ってきたところを米軍関係者のJax (Mehcad Brooks)が現れて両腕をやられながらも助けてくれて、彼がやられる前に言っていたSonya Blade (Jessica McNamee)を訪ねていったら、彼らがずっと追っていたMortal Kombatのことを教えてくれて、要は魔界と人間界はえんえん喧嘩している仲で、Coleは人間界を代表して戦うひとりなのだそのドラゴンの痣が証拠だ、とか言われて、でも自分はそんなに強くないのになんで? ってなる。

でもとにかく人間側のメンバーとしてColeのほかにJaxとかKano (Josh Lawson)とかLiu Kang (Ludi Lin)とかKung Lao (Max Huang)とかが出てきて、でも人間界元締めのLord Raidenに言わせるとこれでは弱すぎて勝てん、ってみんなで特訓とかやっていると、Shang Tsung (Chin Han)とかBi-Han/Sub-Zeroとか魔界のモンスターたちが容赦なく襲いかかってきて大変なことになるの。

太古から続く伝奇ロマンに現代の発展途上の若者を絡ませて、その成長と覚醒 - 眠っていたHanzo Hasashi/Scorpionの血が - を促して、これからも戦いは続くのじゃがんばれ、とかいわれる。スクリューボールもいいとこ。

ゲームだったら魔界と人間界それぞれのキャラクターを自分で選んで対戦したりするのか、とか思うのだが、映画なので、弱かった主人公が成長するお話と仲間を集めていく話と、化け物たちと人間たちがどう戦うか、という話が中心で、ゲームに親しんだひとも初めてのひともそれなりに楽しめる内容にはなっている - 昔からのファンの人たちも楽しんでいるみたいだし - 気がした。とにかく戦えばいい、戦うしかないんだ、って開き直るところまで行ったので、あとはやっちまえ。って巻き込まれに向かう説得力と主人公たちの真剣さはとてもよいと思った。

伝説に導かれて痣をもった者たちが集い戦う、というと八犬伝からアストロ球団までなじみ深いし、にっぽん代表として真田くんや浅野くんが飛び道具なんかじゃなく出ていて安定感たっぷりだし、血や肉が飛び散りまくるところ以外はスムーズにさくさく運んでよいと思ったしおもしろかったかも。 モンスター側も人間側もある種の類型化 - 軍関係、荒くれやくざ、熱血功夫など - を免れていないところもあるが、それらは徒らに戯画化される一歩手前で、現代の物語のなかでじゅうぶん機能している気がした。ただ、映画だったら”Big Trouble in Little China” (1986) - 『ゴースト・ハンターズ』みたいに具体的な土地を舞台にしたほうがおもしろくなったのではないか。(その辺はハリウッドに向かう続編で?)

なにより、真田広之がきちんとしたアクションを見せてくれるのがよかった。”Endgame”でのあれなんて屈辱的だったし。浅野くんはアスガルドからの応援バイトみたいだったけど。魔界と人間界だけじゃなくて神界でも中つ国でもウィンターフェルでも、思いっきり豪勢に広げまくった大戦争絵巻物に持っていってほしい。  んでも今の東京で繰り広げられている善悪のバトル(うんざり)には到底及ばないかも。


強すぎる日射しのなかにいると簡単に頭痛がやってくることがわかった。ここの気候はほんとに向いてない。

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