12.14.2019

[talk] Phoebe Waller-Bridge - Fleabag: The Scriptures

もうなにもかも嫌になっているのだが、よくよく振り返ってみればそういう状態がずっと続いているし、それすらももう嫌になっているので、もうどうでもいいや。

8日、日曜日の晩、この日は昼から”Motherless Brooklyn”を見て、”The Cave”を見て、この世の中のすべてが嫌になった状態で、できれば布団被って泣いていたかったのだがそうもいかず(師走は慌しいよね)、SouthbankのRoyal Festival Hallで見ました。

Southbank Centreは毎年秋のLondon Literature Festival - 今年はBrett AndersonとかAnthony Daniels (C-3PO)とか、自分には未知の人が大勢 - を始めとしてトークのプログラムをいっぱいやっていて、ついこの前はHillary Rodham Clinton & Chelsea Clintonが出ていたし、丁度一年前はRoxane Gayが来ていたし、行きたいやつは割といっぱいある。 問題は自分が知っているくらいの有名度の作家だと、チケット発売日にがんばらないとすぐに売り切れてしまうことで、今回のこれもメンバー優先の発売当日にほぼ売り切れてしまい、公演直前に少しだけリリースされたのをなんとか拾いあげた。対話形式のトークだけだが、手話と字幕も付いている。

Phoebe Waller-BridgeさんのFleabagが日本ではどれくらい人気があるのかないのか、ちっともわからない(たぶんぜんぜん、ではないかしら?)のだが、英国ではエミー賞受賞後にさらに跳ねあがって、舞台版を収録したNational Theatre Liveはいまだにぽつぽつ上映されている – なぜかクリスマス映画特集の枠にも入っていたり。

ここにきて”Fleabag: The Scriptures”ていうハードカバーの聖書みたいな本 - トークでもあんたこれホテルの各部屋に置いてもらおうとしてるでしょ、って突っ込まれていた - がリリースされ、このトークはそれの販促もあると思うのだが、会場ではチケットを見せれば本を貰えるようになっていた。 買わないでおいてよかった。

トークの聞き手は”The Guilty Feminist”のDeborah Frances-Whiteさんで、ふたりは2011年の丁度この日(12/8)に初めて対面で出会ったのだそうな。
で、Phoebe Waller-BridgeさんがDeborahさんのやっていたコメディショーで10分のスタンダップのスケッチをやってみたらウケたので、今度はエジンバラ(Edinburgh Fringe festival)に持っていってみたらそこで爆発した、と。

日々の地下鉄や食堂や職場でひとりでボーっとしている時に見えたり出会ったり絡んだり絡まれたりするいろんなヒトやコトをグズグズだらだらいろんな妄想も含めて垂れ流し、その全体を自虐に落とすと見せかけてその手前で掬いあげ、こんなもんだけどそれがなにか? べつにいいよな? っていう。これが言いようのない破壊力と爽快感を呼ぶところがこの人の芸というか”Mind Your Own Business” (Delta 5)というか。

最初に話題に上ったのは、TV版の”Fleabag” – やっていたら見る、程度でしか見ていない - のSeries 2の終わりで、The Priest (Andrew Scott)が最後に言ったセリフについて – あれは友達とみんなで見ていたら全員が凍り付いたんだけど、あれってどういうことだったの? から。

Phoebe Waller-Bridgeさんの印象は思っていたとおりの、ものすごく考えて考えて考えてから書いているので、個々の質問に対する受け答えはクリアではっきりしていて、でもぜんぶ説明しきれるものではないのであわわ、ってなりそうになるとDeborahさんがそれってこういうことよね、って絶妙のフォローを入れる。

いっこ印象深かったのは、2011年から12年くらいにかけて、フェミニズムの動きに今のそれに繋がる大きな変化があって、それまでカウンターカルチャーに近い扱いだったところがより女性の生き方近くに寄ったかんじになって、Fleabagはその流れにはまったのでは? と。 彼女の答えはそこまでストレートなものではないがEveryday lifeに近いところで溜まったあれこれを出す、ってあたりは意識している、と。

今はFleabagのSeries 2の直後に思いついたプロジェクトに妹とふたりで掛かりきりになっていて、それが楽しくてしょうがない、と。 あと、次の007の映画にもちょっと関わっていて、脚本を少し滑らかにしたりとかそういうのをやっている、って(Daniel Craigとも会ったわよふふふん)。

みんなからの質問では、もう成功しちゃったからPizzaExpress(ロンドンでもUKでもそこらじゅうにあるピザのチェーンレストラン)とかには行かなくなっちゃったのでしょうか? と聞かれて、PizzaExpressは大好きだから行く、あそこに行くと誰も他人のことを気にしていないのがすばらしいのだ、と。 こんどPizzaExpress行ってみよう(まだ行ったことないの.. )。

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