9.30.2019

[log] September 2019

9月に見たその他のあれこれのうちいくつかを。

Stanley Kubrick: The Exhibition

1日、日曜日の午前にDesign Museumで。終わりに近づいているせいか時間制のチケットもほぼ売り切れ状態だった。
最初の方が映画の企画からリリースまでの流れをざーっと追うようにカメラとか編集台とかポスターとか、おもしろかったのはボツとなった”Napoleon”の準備で用意した大量の文献とかお買い物リストとかの物量。 Jack NicholsonのNapoleonとAudrey Hepburnの Josephine、見てみたかったねえ。

その後は”2001: A Space Odyssey” (1968)のラストのサイケなあれ(所謂"Star Gate" sequence)のスクリプトチャート?みたいなやつ(by Douglas Trumbull) あんな緻密に作り込んだものだとは思わなかった。その先は個々の作品毎に製作に関わるいろんな物が並べられていて、テーマはもちろん、常に新しい技術やデザインに取り組んでいたことがわかる。

挙げていけばきりがないのだが、”2001..” でHAL9000のデザインをIBMに依頼したらぜんぜんいけていなかった(うん、見るとたしかに)のでがっかりを伝える手紙、とか、”Barry Lyndon” (1975)で蝋燭の光だけで撮影するための特殊レンズを装着したカメラとか、そのための特製蝋燭とか、”Eyes Wide Shut” (1999)でNYのヴィレッジの街並みをLondonの街中に再現して撮影するために書き込まれた地図とか、でも”The Shining” (1980)のステディカムは置いてなかったかも。

彼の映画が好きで、ほんとうに愛しているひとが見たらたまんない内容だろうなー、って思いながら見てて、なんでそんなにのれないのかな? とか。 たぶん、映画を通して世界(観)を創造する構築する - そういうのに感動するとか、そういう方にあんま興味ないのかも、って。

21~22日の週末に、毎年恒例のOpen House Londonがあった。初夏のOpen Gardenに続くイベントで、普段はなかなか入れないような新旧なじみの建物に入れてくれる。昨年は意気込んだものの週末が両日とも大雨のひどい天気だったので諦めて、今年こそ、だったのに、予約開始の日 - 首相官邸(10 Downing Street)とか人気のところは事前予約とか抽選になる - をすっかり忘れてて、気づいたときはもう..  だった。 なので予約不要なところを観光客気分で少しだけ。

Foreign & Commonwealth Office

21日の土曜日に見たもの。外務省の建物。割と有名なやつなので、オープン前に並ぶ列も結構長かった。 ふつうにかっこよくて、こういうところで仕事したいなー(ワークスタイル云々よりも)、しかない。ダイバーシティにフォーカスしたパネルとかかっこよくて見入ってしまったり、建物よりオフィス見学みたいになる。 猫さんには会えなかったので、絵葉書買った。

Lancaster House

外務省からSt James's Parkを抜けていったところにある外務省管轄の官邸で、予約ツアーのみだったらしいのだが、なんとか入れてもらえた。ガイドの人によると、バッキンガム宮殿で撮影されているっぽいTVや映画のセットはだいたいここなのだそう。 TVだと”The Crown”も”Downton Abbey”もここ。 映画だと”King’s Speech”とか” The Young Victoria” (2009)とか、バカ映画なので皆さんはご覧になっていないかもしれませんが(そんな言わなくても..)、“National Treasure: Book of Secrets” (2007)でNicolas Cageが女王陛下の机をひっかきまわすシーンはここで撮られているのです、とか。

装飾とか全体に金ぴかなのだが映画のセットで使われそうなはりぼて感もあっておもしろかった。Queenが来た際に使われるトイレ、が隠し扉のような壁の奥にあって、へぇー だった - 結構狭くて小さいの。

Alexandra Road Estate

22日、日曜日のOpen Houseは天気もあまりよくなくて、午後は映画とかもあったので一箇所だけ、78年にNeave Brownがデザインした集合住宅に行った。同潤会アパートみたいなものかしら。

壁面が斜めに切られた昔の長屋のようなアパートが長くどこまでも続いていて昔の遺跡みたい。 既に誰も住んでおらず朽ちたようになっている部屋もあればまだ普通に人が住んでいるところもあって、Applyすれば住めるみたいだった。こういうの、Barbicanもそうだけど、機会があったら(まあ100%ないだろうけど)住んでみたいなー。エレベーターもちゃんとあるし、うちよりは楽だろうなー。
あと、ふらふら歩いているだけで猫3匹と会った。1匹は明らかに飼われている子で、2匹は不明。あんなふうに猫がいるならいいなー。

来年のOpen Houseは(まだいたら、だけど)、事前にちゃんとリサーチして、きちんと予約して臨みたい。

Pieter Bruegel the Elder: Two Monkeys, 1562

月の真ん中くらいにドイツに出張していて、19日、ベルリンの空港に向かう途中で時間があいたのでGemäldegalerie(絵画館)に寄った。 特に大きな企画展はやっていなかったのだが、この1枚だけ特別展示のような形で。 今年はブリューゲルの没後450年で、これは亡くなる7年前に描かれたもの。 鎖に繋がれた2匹の猿と、その向こうにアントワープの港が見えて、そこに込められた諺とか風刺があるらしいのだが、X線解析とかいろいろやって、どういう順番でどこがどう塗られていったのか、等を示している。400年前のお猿もびっくり、よね。

この絵画館に来るのは2回目で、やっぱりよいなー、だった。古典中心だけど、最近はどんな絵も見れば見るほど楽しくてしょうがない(のはなんでかしら?)。

Tate BritainのWilliam Blake展は、あと1~2回行ってからちゃんと書きたい。書く時間あれば。

明後日からLondon Film Festivalが始まる。 変なのが入りませんようにー。

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