9.13.2019

[film] Brittany Runs a Marathon (2019)

8日の日曜日、夕方には戻りの飛行機に乗らねばだったのだが、なんか映画見たいかも、になって、飲茶のあとにAngelika Film Centerに行って、見ました。

ここではほかにRichard Linklaterの新作もやっていたのだが、これはそのうち英国にも来るじゃろ、ていうのと、なんか軽くて楽しいのがいいな、って。 他の映画館だと、Film Forumで”Mr. Klein” (1976)とかLinda Ronstadtのドキュメンタリーとか、Metrograph – 今回行けなかった..  ではShaw Sisters特集とか。

ここのシアターもとても久しぶりで、びっくりしたことに座席が指定制になっていた。でも地下鉄のがたごと音はまだ聞こえてくるし、上映前のクレジット映像なんかも変わらないし。

今年のSundanceでドラマ部門のAudience Awardを受賞している。

Brittany (Jillian Bell)はNYに暮らす20代後半で、目標も野望もなく、振り返りも反省もなく仕事はてきとーに舐めてて、日々楽しければそれでいいや、って動物のように暮らしていると、それらが適正に容赦なく反映されてしまった彼女のボディは、なんとかしないといろんな数値がやばいよ知らないよ、と医者から言われる。

隣人のCatherine (Michaela Watkins)が走っているのを見て、誘われたりしても初めはけっ、だったのだが、ジムとかに通うのはばかみたいに高くつくし、じゃあ軽く走ってみようか、って渋々やってみると初めはきつくてこんなの冗談じゃない、になり、でもだんだんずるずるとはまっていく。

仕事も友人関係も恋愛関係もてきとーにやってきた結果、緩やかな負のスパイラルにはまっていたBrittanyが走り始めてからなんとなく変わって、走るのがおもしろくなって、NYマラソンに出ようとがんばり始めて(そしたら途端に疲労骨折、とか)。

運動したら体重おちて(彼女実際に40lb痩せたって)健康になりました! よかったねー、とか、ビッチがよいこになりました、っていうポジティブなだけの話ならじゅうぶん間に合ってます、なのだが、そこに至るまでの迷いとか混迷とか彷徨いのあれこれが走ること、健康になること、そういうのにはまることへの迷いや懐疑 - それはよくないことにはまっていくときの後ろめたさと等価なよう - まで含めてとってもこまこま具体的に描かれていて、おもしろい。

ダメだった(ダメだと思っていた)女子がなにかのきっかけで変わっていく映画として、例えば、”Trainwreck” (2015)とか”I Feel Pretty” (2018) があったが、ここのBrittany がいちばん「健全」で、だからなに? ではあるのだが、その描き方がマラソンが変えてくれたから、ではなくてとにかくなんとか自分で変えた変わった、になっているところが爽やかさをもたらしていて、それゆえなのかなんなのか最後はちょっと感動してしまったりもする (NYマラソンの本番でドキュメンタリーじゃない映画のロケをしたのは初めてだったという)

そんなにすばらしいのならマラソンでもやってみようじゃないか、にならないところもよくて、しばらくしたら元に戻り、次のなにかに手を付ける、っていう、さすらいのBrittany ものとしてシリーズ化してほしい。Jillian Bellさん、すばらしいし。

NYマラソンて、走ってみたいかも、って昔調べたりしてみたことがあって、でもエントリーまでの手続き関係の面倒さで諦めた。なのであそこで走っているだけでみんなあれらを乗り越えてきたすごい人達なんだわ、って尊敬してしまうの。

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