9.16.2019

[film] And Now for Something Completely Different (1971)

少し戻って、1日、日曜日の午後、”Tinker Tailor Soldier Spy” (1979)の後にBFIで見ました。(どちらも英国の”Circus”に関わるお話だね)  この9月はMonty Pythonの50周年を記念した特集が組まれていて、初期の珍品からなにからいろいろ掘りだして起こして、Michael Palinは来れないけどTerry Gilliam やNeil Innesはゲストでちょっとだけ顔出すみたいだし、14-15の週末はFlying Circusの全エピソードマラソン上映とかやっていた。 そりゃ見たいけど他にもいろいろあって難しくてさー(泣)。

“And Now for Something Completely Different”はMonty Pythonチームが米国進出を試みようとした71年、プロモーション用に当時のスケッチをリテイクして束ねて作ったオムニバスみたいなやつで、米国進出は結果的に失敗してしまった- 認知されるようになったのはこの映画ではなく74年にPBS(TV)がオリジナルを放映し始めてから - のだが、イントロでは進出のきっかけを作った英国Playboy誌の家族の方とか米国側のマネージャーだった女性の話があり、予算はたった£80,000だったとか提示された条件もきつくて、まあ難しかったんだろうなー、って。 Monty PythonのギャグもSNLのもどっちも好きだけどなー。

最初に99年の30周年記念の際に作られたドキュメンタリー”Pythonland”。 Michael Palinがロンドン各地のMonty Pythonゆかりの地を訪れて、Blue Plaque(公認の偉人が生まれたり住んだりしていた場所に貼られる青丸の石版 – でもここのは冗談なので厚紙)を貼っていく、というもので、そこで活躍するのが日本で出版された『モンティ・パイソン大全』(あったねえー)に載っている日本のファンが作ってくれたというロンドンマップで、そういうのも含めたもったいぶった重箱の隅感がMonty Pythonとしか言いようがないの。

“And Now..”の方は見たことがあるやつも随分あって、どれがどんなふうにおもしろいのかを書くのは難しいので書かないけど(見ればいっぱつだよ)、興味があるひとはネットとかで見てみて。 既に確立されたなにか(例えば権威)に全力で(or 骨抜き脱力で)タックルしてぐじゃぐじゃにかき混ぜて、でも互いになんもなかったかのように平然としてて、それを最後に改めてふっとばして、でもそれらは何度でも蘇って襲ってくるので止まらない。 そういうのをアニメーション(by Terry Gilliam)も含めて執拗に仕掛けてくるのが彼らのギャグで、中毒性が高いし実際に劇物だし、でも古典落語みたいに100年経っても愛されていく気がする。

Michael Palin & John Cleese’s Pick of Python Influences

4日、金曜日の晩にBFIのMonty Python特集で見ました。

Michael PalinとJohn Cleeseのセレクションによる、Monty Pythonに影響を与えた60年代のTVコメディから3本分を紹介。 スケジュールした際には Michael Palinに来て喋ってもらう予定だったのだが、彼が心臓外科手術を受けたりしたのでできなくなってしまった、とのこと。

上映されたのは”The Goon Show: Tales of Men’s Shirts”(1968),  “Q5” (1969),  “Not Only... But Also” (1965)で、どのプログラムも30~45分くらいのプログラムで、最初の2つはラジオ向けのコメディを手掛けていたSpike Milliganによるスケッチで、無責任に転嫁して延焼して転がって収拾つかなくなるギャグのかんじは近いかも。 最後のはPeter CookとDudley Mooreのコンビで、Dudley Mooreトリオが演奏するシーンもあるのだが、それがかっこいいったらなくて、ギャグがやや霞んでしまったかも。 
これとは別の特集(確か昨年のコメディ特集)で60年代のTVのコメディプログラムもいくつか見たのだが、とてもレベルが高くて、これだけじゃなくてドラマも当時のを今見ても十分におもしろい。

演劇の舞台できっちり演技をやってきた人達がいて、それを活かせるようにTV製作でのドラマ作りのノウハウがきちんとできてて、それらがベースにあるので英国映画ってあんなふうなんだなー。昔はそれを「よくもわるくも」って思っていたのだが、よいことなのではないか、と昔のウェルメイドな英国映画を見るたびに思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。