5.17.2019

[talk] Vivien Goldman - Revenge of the She-Punks

NYからは16日、木曜日の朝に戻ってきて、仕事に行ってへろへろで、まだしんでる。
後でも書くけど今回は最終日の水曜日を除いてずうううっと雨で、ロンドンよかぜんぜんひどい雨で、さいてーだった。 でもこれだけは先に。ていうか仕事を除けばほぼこれだけの旅だったわ。 ちくしょうめ。

空港に着いたのが11時、ホテルに入ったのが12時、荷物放りだして美術館の方に走って、でも大惨敗で、惨敗だったので結果的に15時のこれに間にあってしまったのはなんというか。 場所は、McNally Jackson(本屋)の地下のスペース。

Vivien Goldmanさんは、76年から英国のSounds誌に記事を書いていて、ミュージシャンとしても"Launderette" (1981)を出したりThe Flying LizardsとかNew Age Steppersとか。現在は著述業をしつつNYUのClive Davis Institute of Recorded Musicで非常勤教授をしていて(授業受けたいなー)、今回のはUniversity of Texas Pressからリリースされた本 - ”Revenge of the She-Punks - A Feminist Music History from Poly Styrene to Pussy Riot”のプロモーションのリーディングとQ&A。

トークの相手方はJenn Pellyさん - 彼女はPitchfork誌のContributing Editorで、なんといってもあのすばらしい33 1/3シリーズの”The Raincoats”を書いた人。どれくらいすばらしいかって、自分が買ったやつには彼女だけじゃなくてThe RaincoatsのAnaとGinaのサインまで入っているくらい(公認本)。 この本のプロモで本屋をまわってリーディングするのよ、恥ずかしがらないのすばらしい本なんだから!てハッパをかけてきたのがVivien Goldmanさんだったのだそう。

さて、今の子達が知らない昔のパンクについてはDon LettsとかJohn Savegeといった重鎮の語り部がいて、彼らの映像でも本でも語りでもいかにしてパンクは起こってそれがなぜ今においても死なない(死ねない)のか、等々は散々見たし聞いたしわかんなくはないよ、わかんなくはないけど、なんかもういいかなー になってきたのは自分の歳のせいなのか、巷の「パンク」公約数も世界のありようも当時とはぜんぜん別モノになってしまっているからなのか、たぶんいろいろ、これはこれでだれかが細々と続けていけばさー、くらいになっているのがいま。

で、付箋だらけの自著をめくりながら76年にSlitsのVivが女性のバンドをやろうとしても周りにはだれもいなかったこと(こないだのBritish Libraryのトークでも同じこと言ってたな)、X-Ray SpexのPoly Styreneから80年代初のNYのアンダーグラウンドシーンに飛んでBush Tetrasのこと、99 Records(彼女が絡んでいたなんて知らなかった)のこと、ESGのこと、なぜ女性が声をあげなければならず、それがいかに正しいことだったのか、なぜいまも必要とされているのか、等からAu Pairsのこと、Riot grrrlに Pussy Riot、復活したBikini Kill、更には現在のインドネシアや南米の女性パンクス(名前わすれた)まですごい勢いで喋りまくり、とにかくやるのよ! ていうリーディングというよりは文句なしのアジテーションだった。ぱちぱちぱち。

フェミニズムの時代とその音楽、みたいな言い方はしたくなくて、これはxxイズムの話ではなくて、性別とか人種とか地域とかの違いを意識せずにひとりひとりがまっすぐその場所に立って互いの目を見て話して聞いてができる、そこに行きたいだけなのになんだよこの瓦礫と屑(男)の山は、になってしまうことに女性が怒ったり声をあげたりするのは当然なのだ今も昔も、ていうのを当時のヴィレッジやブロンクスにいた(活動家でもなんでもない)ふつうの女性たちの肖像を通して 訴えてくる。

そしてそれは間違いなく昔語りではなく、今をなんとかしようとして踏んばっている全ての女性に向けられていて、連帯!とか共闘!とか、というよりも、頻繁に出てきた”sisterhood”ていう言葉がそこにはきれいにはまるかんじがした。

それにしても、99 Recordsの傍にいて、そのに前はRough TradeのGeoff Travisとも暮らしていたことがあった、って聞き書きしたら相当おもしろい話が出てくるんだろうなー。

この後のサイン会は長くなりそうだったので抜けて、晩に戻ってきて本だけ買ったらサインと一緒に ”STAY PUNKY!” て書いてあった。 序文が”Womanifesto”になってて、章の間にはトラックリストが付いている。

邦訳されますようにー。 

RIP Grumpy Cat..  だいすきだったのに。 天国でもGrumpyでいてね。

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