5.21.2019

[film] Quadrophenia (1979) at 40

6日、月曜日の晩、Islington Assembly Hallで見ました。
“QUADROPHENIA at 40”ていう、映画”Quadrophenia”の公開40周年を記念した上映会が英国各地をツアーで周っていて、ロンドンではこの日15:00からと19:30からの2回上映とQ&Aがあった。

原題訳は「四重人格」なのに邦題は『さらば青春の光』といって、日本でも公開時に見ているのだが、たしか2番館で2本立てくらいで見たのだと思う。しょうもない邦題に相当あったまきてふざけんな、って(… この頃からこういうのには怒っていたらしい)。

会場のIslington Assembly Hallは普段は音楽のライブをやっている町の公民館みたいなホールで、そこの建物の前に物販のワゴンとか見せびらかしなのか映画に出てきたようなスクーター(ぴっかぴか)とかが並べられ、当時の音楽ががんがんかかっていて、なんともいえないローカルお祭りの風情。客層はもろにあの頃の/今はもう、のおっさんおばさん達ばっかしで回顧上映会、というより飲み会同窓会のノリ。

会場の1階は普段ならスタンディングのフロアに椅子を入れて、来た人から適当に座って、て言ってて、19:30になると何の案内もなく突然電気が落ちて予告もなしに上映が始まり、Jimmyが海の方から歩いてくる姿にみんなが歓声とともに「うぃー」とか声を掛けてて、みんなことあるごとに「うぃー」って叫ぶの。なんなのそれ、そういうもんなの? 

映画は背後から投影するのではなくステージの真ん中にプロジェクターを置いて、映ってればいいだろみたいなものすごく適当な映写で、でも音だけはコンサート用のスピーカーからがんがんで、みんなスマホでスクリーンの写真とったり頻繁にビール買いに席たったり、のゆるゆるで、初めてこれを見るひとがいたら頭くるだろうなー、って思ったが、この粗くて雑なかんじがなんかこの映画のドブ板ネズミ共のしょうもない雰囲気にうまくはまっているかんじはした。

映画はいいよね。Modsで決めたくて悶々しているチンピラのJimmy (Phil Daniels)が親とぶつかり敵対するRockersと喧嘩し仲間うちでも半端になりスクーターも壊されてなにもかも嫌になって断崖に走っていって、そして... 

最初に見た当時はみんな当然のようにJimmyのあれこれは自分のことだと思って、でも40年経ってそう思うことはさすがにない、けど、Jimmyはどこにいっちゃったんだろうね? ていうのはたまに思ったりした。それと関連して目線が変わってきたのかも知れないが、落ち着かないガキ共の群像劇としてなかなかおもしろいかも、とか。 でも当時(今もかも)、こんなふうに目の前のいろんな衝動と焦燥を音楽と一緒にぶちまけて、知るかあほんだら自分でなんとかしろ、って突き放してくれる映画なんてなかった(あったのかもしれないけど届かなかった)、この点でやっぱり好きな映画だなーって。

The Whoのアルバム「四重人格」は当然先にあって、これは自分にとっては無人島に持っていくやつで、96年のMadison Square Gardenでの全曲演奏公演のときは3日くらい通った。その時のナレーターはPhil Danielsで、その時にも思ったのだが、アルバムを全部隅から隅まで聴いた方が全体像はつかむことができて、映画はあんまいらないかも、になるのだが、これは再見して思ったけど、何度もくどいけど、映画は映画としていいの。

上映後にはラジオDJのEddie Piller氏の司会でトークがあって、出てきたのはJimmy (Phil Daniels)とSteph (Leslie Ash)とDave (Mark Wingett)とFerdy (Trevor Laird)の4人で、風貌が変わり過ぎてあなた誰? のひともいたけど、和気あいあいで楽しかった。

撮影の現場はみんなオーディションで集められたそこらの(素人の)若者たちだったので、毎日がとっても楽しかったとか、Keith Moonの死の衝撃とPunkの余波が現場を覆っていたとか、当初はTony Richardsonが監督する話もあったのだが、Franc Roddamがこれの前にTV用に撮っていたドキュメンタリーがとてもよかったので彼に決まったとか、そんなような話。

またBrightonに行ってみようかな。

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