5.03.2019

[film] Les frères Sisters (2018)

4月28日、日曜日の午後にCurzonのSOHOで見ました。

前日に4本見ておうちに着いたのが朝4時でへろへろだったので、この日は1本だけにした。
かわりにV&AでMary Quantoを見て、National GalleryでSorollaを見て、National Portrate Galleryでエリザベス朝時代のミニチュア工芸を見た。 どれもすばらしくて心が洗われるようだった。

英語題は”The Sisters Brothers”、邦題は『ゴールデン・リバー』?? なんだそれ。「シスター兄弟」でいいのにね。 

Jacques Audiardのハリウッド進出作(なのかな?)。実話だったらおもしろいと思ったのだがそうではなくて原作はPatrick deWitt.の同名小説。

19世紀中頃のアメリカ西部、オレゴンのあたりにEli Sisters (John C. Reilly)とCharlie Sisters (Joaquin Phoenix)のならず者ガンマン兄弟がいて、彼らは提督 (Rutger Hauer)からHermann Kermit Warm (Riz Ahmed)を殺すように依頼されて、彼らとはべつに探偵のJohn Morris (Jake Gyllenhaal)も雇われていて、彼はWarmを探しだしてSisters兄弟に渡すように依頼されている。

ゴールドラッシュで湧くカリフォルニアを移動していくときにMorrisはWarmを見つけて近寄っていくと、Warmは川の底の石ころに混じっている金のありかを浮かびあがらせる(そこが光って見える)薬品を発明したのだと、それで儲けたらダラスの方に理想郷のようなコミュニティをつくるつもりであることを明かしたりして、少しづつ仲がよくなっていく。

他方でSistersの方のMorrisを探す道中は大変で、Eliが寝ている隙に口のなかに蜘蛛が入って頭が腫れちゃったり(いちばん怖くて嫌だったのはここかも)、熊がきたり、いっつも酔っ払って使い物にならなくなっていたり、敵に追われて逃げたり、喧嘩ばかりの散々な苦労があって、ようやく4人が落ちあって、Warmを殺る前に彼の薬品の効果を見てみるか、ってやってみたらあらら…

基本は西の方で雲の上の誰かに雇われたならず者はぐれ者たちが誰かを追って、誰かに追われて撃たれて駆けずり回って傷だらけになっていくお話しで、予告編を見たときにはコメディみたいなノリかと思っていたら『預言者』(2009) とか『君と歩く世界』(2012) のJacques Audiardなので結構ぐさぐさと痛そうな男の世界がてんこもりで、ほんとうにこの4人のみのメンズ(女性がぜんぜんなしでほんとにいいの?)のドラマなのでたまんないひとにはたまんないはず。
John C. ReillyもJoaquin Phoenixも傷を負った西部の男として思った通りのぷーんと臭ってくる乱暴で無頓着な動きをしてくれて、我々の期待する通りにすすり泣いて叫んでのたうちまわる。
そして結局ママンには勝てないところもとってもありそうで。

Jacques Audiardって脚を失ったり腕を失ったりするお話が好きなのかしら?

ジャンルとしては西部劇だし、登場人物も背景も西部劇のそれなのだが、なんか盛りあがるかんじになっていかないのはなんでなのかしら? 茂みの間を馬で走り抜けていくところだけでもなんか雑なのよね。わざとかもしれないけど。 ”The Ballad of Buster Scruggs” (2018)のエピソードのひとつみたいに撮ってくれたらどんなに素敵になったことでしょう。

この二人の兄弟でだらだらどうでもよさそうな続編をずっと作っていってくれるならな …

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