12.25.2018

[film] Spider-Man: Into the Spider-Verse (2018)

19日水曜日の21時過ぎ、Pictuirehouseで見ました。Dolby Atmosがんがんのいちばんでっかいとこで、でも客は数人しかいない。気持ちよいったら。

年末に会社から強いられたり出なきゃいけなかったりする飲み会って、会社はいって何十年経っても、働く国や会社が変わっても、相変わらずいやいや園状態で、そういうのでぐったりした後に半べそかきながらこういうのに逃げこむの。

最初はゲームかなんかに連動したアニメかなんかかと思っていたのだが、これはそうではないちゃんとしたMarvelのプロダクションで、レビューも評判よいみたいだから、程度で。

Queens(だよね?)に暮らすMiles Moralesは新しくレベルの高い学校に行くのに相当焦ってカリカリしてて、でもパパママはだいじょうぶ期待してるし愛してるしか言わなくて、そういう不安だの将来だのについて尊敬しているAaron叔父さん (Mahershala Ali)と地下鉄の穴の奥のほうの場所で落書きしながら喋っていたら変なクモに噛まれて、その日から自分の体の様子がおかしくなって、おかしくなった感覚がPeter Parker (Chris Pine) / Spider-Manと悪党The Kingpinが次元の壁をぶっこわそうとしている現場に導いて、でも彼の見ている前でSpider-Manは殺されちゃって、NYの町全体がどうしようやばいぞ、になる。

暫くするとどこからか髪の色が違ってお腹も出ててややおっさんぽいPeter B. Parker (Jake Johnson)ていうSpider-ManがMilesの元に現れて、要は次元の壁が壊れて穴があいたとこから来た別次元のやつ(次元が違うので長くそこにはいられないけど)だという。 同様にGwen Stacy / Spider-Woman - 彼女はMilesが学校でぽーっとなった彼女にそっくり – とか、明らかに日本のアニメから来ているKimiko Glenn / Peni Parker - ロボット連れてる – やや恥ずかしい - とか、かくかくした白黒カートゥーンのSpider-Man Noir (Nicolas Cage)とか、これもカートゥーンキャラのPeter Porker / Spider-Ham – おまえ豚っていうよりヒョウタンツギだろ – とかがやってきて、壊された継ぎ目をなんとかしないと彼ら自身も彼らの世界もやばいことになるのでみんなで協力して戦うことにする。

でも彼らは外次元から来たヒーローなのでたまに力が出せなくなったり戻れなくなったら死んでしまうので、結局はおおもとの世界にいるMilesに踏んばってもらうしかないのだが、彼はまだ自らのパワーに目覚めたばかりで力不足だし自信もないし、ということで5人のSpidersからも見切りつけられて、The Kingpinとその一味は容赦なくがんがん攻めてくるしどうなっちゃうのか。

Spider-Manのそもそものテーマである青年が肉親の死や葛藤の果てに自身の力に目覚める - "with great power comes great responsibility" のラインはそのままに、というかそこからアニメーションにしかできないようなところに踏みこんで – いまのアニメーションの最前線がどうなってるのか知らないで書いているけど - 実写版のシリーズとは異なる深みとカタルシスをもたらす作品に仕上がっている。

次元の異なる世界にそれぞれ異なるヒーローがいて、それぞれの戦いを繰り広げている、というのはコミック本の世界ではそういうもんだと思ってきたし、これまでのヒーローものでも怪獣ものでも、作られてきた世界は互いに連続したり繋がったりしていない - いろんなバージョン、何代目のなにとか、舞台背景も現代から近未来からいろいろで - そこをあえて繋いで結んで韻(verse)を踏んでみたらどうなるのか、というのがこのアニメがやってみたことで、これはアニメについてのアニメでもあるし、アニメというよりはグラフィティのアプローチでアニメを再構築してみた、ということなのかも知れないし、どっちにしてもこの手があったんだぜ、でぶっぱなしてくる威勢のよさがある。

他方でこれは実写と見分けのつかないような最近のリアルで流麗なアニメとはぜんぜん違って、画面のちかちかざらざらとかダイナミックで粗っぽい繋ぎやジャンプは年寄りには見ていてきついかもしれない、けどそこを絶え間なくどかどか鳴っている音楽(割とオールドスクールなとこもあるので安心して)が補完してくれて、どっちにしても極めてパワフル。 Milesと同年代の子が見たらめちゃくちゃ鳥肌たちまくりなのではないか。

こうしてみるとSpider-Manの世界って、ビルの谷間に糸を張って自在に飛び回るところも含めて、アメリカの若者文化の根幹にあるなんかなのかもしれない、とか改めて。それをコミック本から立ちあがったMarvelが原点に戻ったかのようにダイナミックに動いて暴れる「コミック」にしようとしている。

あとこれ、Avengersの次のプロットにも繋がるとこだよね。あんなふうになってしまった世界の彼らを救うのが蟻とか蜘蛛とかの虫たちって、おもしろいねえ。

Stan Leeさんは(声も含めて)きちんと出てくるのでご安心を。
あと、メイおばさんの声はLily Tomlinで、おばさんものすごくかっこいいの。実写でもやればいいのにな。


イブの晩は気がついたら夜寝してて、起きたらBBC2でTop Of The Popsのクリスマスソング特集をやっていた。 The Bluebells “Young at Heart” が流れて、The Pretendersが流れて、ABBAの”Chiquitita”がきて、Wham!なんかもちろんきて、”Fairytale of New York”はあたりまえで、”Happy Xmas (War Is Over)”に続いた”Do They Know It's Christmas?”で終わりかな、と思ったらこれで終わると思うなよ、ってRoy Woodの”I Wish It Could Be Christmas Everyday”で締める構成がすばらしかった。

これに繋ぐつもりなのか、このすぐ後にBBC1ではあの傑作 “Man Up” (2015)をやっていて最高としか言いようがない。Lake BellとSimon Peggが最初にデートする川べりはBFIの側のとこなのね。 ほぼ毎日の通学路のとこ。

25日は、電車もバスも動かない日なので家でだらだら過ごすしかなくて、TVで流れていたいつのだかわからないKylieのクリスマスライブのを見たりしてた。 “2000 Miles”をやってくれてわー、ってなったらChrissie Hyndeが出てきて一緒に歌ってくれる。

Film4のチャンネルではトトロ(英語吹替版)やってる。

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