12.03.2018

[film] The Girl in the Spider's Web (2018)

11月25日、日曜日の晩、Haymarketのシネコンで見ました。

David Fincherによる”The Girl with the Dragon Tattoo” (2011)のシリーズの第二弾、のはずだったが、キャストもスタッフも総とっかえ(David Fincherの名前はExec. Producerのとこにはある。Trentはいないよ)のようで、どんなもんかしら、と。

冒頭が姉妹の幼い頃の回想シーンで、はっきりとは語られないもののLisbethの生い立ちとか過去に関わってくる話なんだな、て思って、ちょっとだけあーあ、になる。おいらは過去なんて棄てたんだ知るかよ、ていう鉄面で冷たく相手を絞めあげていくLisbethがかっこよかったのにさ。

元NSAのプログラマーからの依頼でNSAからFirefall(ぷぷ)ていうプログラムを盗みだしたLisbeth (Claire Foy)だったが、その直後に自宅を襲われて火をつけられて、その依頼主と男の子を守るのと、プログラムを狙ってくるやばそうな組織とスウェーデン(お国)のセキュリティ組織と、米国から取り戻しにくるNSAの間でぐるぐる追っかけっこが始まる。 で、いちばん悪っぽい組織がSpider – 蜘蛛蜘蛛団で、こいつらがLisbethの過去に関わっていそうで、痛くて痒いかんじで。

Lisbethの側にいるのはジャーナリストのMikael Blomkvist (Sverrir Gudnason)で - この人は前作ではDaniel Craigだったはずなんだがなあ - と、ずんぐりむっくり(なんでいっつもそんなイメージ?)でキーとモニターだけが友達のハッカー君だけ。

プログラムを盗んでも有効にできる鍵を持っていそうなのはとっても賢そうで殆ど喋らないプログラマーの息子で、チェスが得意なこいつに自分の子供時代を重ねてしんみりするLisbethだったが彼をプログラムごと組織にさらわれちゃったので、それどころじゃなくなる。

前作にあった隔離された旧家にどす黒く流れる闇の歴史を緻密にクールに追いつめていく謎解きのスリル、ひとの傷をどこまでも突っついておらおらやる変態なところはどこかに行って、ただの凍える町とか森とか家のなかを走り回ってPCと子供の争奪戦をやっているだけで、クライマックスも、なんであなたがぁぁー? って断崖で叫んでるTVドラマみたいなふうで、これ、もし原作がそうなのだとしたら、David Fincherはそれで降りちゃったのかしら、とか。

ラストの銃撃のとこ、お屋敷の3Dイメージをどこからどうやって読み込むんだかわかんないけど立ち上げて、そこを介して遠隔でどんぱちするのがおもしろくて、あのプログラムの方がFirefallなんかよりよっぽど危険で実用的でほしいぞ、って思った。

Claire Foyさんもがんばっているのだが、Rooney Maraさんと比べるとやはりちょっとWetなのよね。今回のストーリーだとそれでよかったのかも、だけど。彼女の顔でWetだとトサカ髪もかわいく見えたりしちゃうところとか、なあ。
で、その状態で更にMikaelも甘めで弱っちいので頼れそうなのがまわりに誰もいないかんじなのもきつかった。

もう少しLisbethの役に立ってあげればいいのに、なMikaelの同僚役でVicky “Phantom Thread” Kriepsさんが出ていて、毒キノコをいっぱつやってくれるかと思ったけど、なんもしなかった。あの人たちなにしに出てきたのかしら?

LisbethがなんでLisbethになったのか、だいたいのとこはわかるのだが、それでも何が彼女と姉を隔てたのかは明確にならなくて、そこが物語としては決定的に弱いかも。姉妹なんてそういうもんだから、とか言わないで。

あと、アメリカとスウェーデンのセキュリティ当局は互いに本件どう落とし前をつけたのか、ちょっとだけ気になる。

あと、すごく寒そうなんだけど、みんな寒くないの? ちょっとは寒そうな顔とか振りとかして。

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