6.05.2018

[film] The Miseducation of Cameron Post (2018)

2日の土曜日の晩、”The Tale”の後に続けて見ました。既に”The Tale”に結構打ちのめされてへとへとだったのだが、これもまたすばらしいのだった。今年の SundanceではGrand Jury Prize for US Dramaていうのを受賞している。
原作はEmily M. Danforthによる同名のYA小説。

上映前に監督のDesiree Akhavanさんと製作・共同脚本のCecilia Frugiueleさんが出てきて挨拶して、やたら威勢のよいおねえさんふたりだったので少しだけ気が晴れた。

93年のアメリカの田舎(モンタナの辺り)、Cameron Post (Chloë Grace Moretz)はレズビアンで、プロムの晩に恋人のColeyと車のなかでやっているところを彼氏に見つかり、彼はわなわなぶるぶるしちゃって(まあ、するかも)、親がいなくて誰からも守って貰えない彼女は、おばにより山奥のGod’s Promiseていうキリスト教ばんざいの矯正施設に送りこまれる。(入口の荷物チェックではBreedersのカセット取りあげられちゃうの。かわいそうすぎる)

そこは同じような問題を抱えて送られてきた子達がいっぱいいて、同性愛は罪なんだからどこまでもお祈りしなされ神さんは見ていらっしゃる、で、アイスバーグ・モデルを使って海上に出ていない氷山 = 自分の内面の問題で思いつくとこを振り返って書いてみましょうとか言われてて、やってらんねーぜ、になる(表には出さないけど)。

そこには素直に真面目に神の道へ精進している子もいれば隠れてはっぱやっている子もいて、彼女は後者のJane (Sasha Lane)とかAdam (Forrest Goodluck)とうだうだ一緒に過ごすようになって、施設を仕切っている牧師のRick (John Gallagher Jr.)とか鉄面皮の医師Lydia (Jennifer Ehle)と対峙していくのだがそう簡単にはひっくり返らなくて、そのうちColeyは別れましょうってくるし、おばに泣いて助けを求めてもあなたのためなのよ、しか言われないし。

最初はそうやって我慢と忍耐を重ねていったCameronがその限界を超えて仲間と一緒に大反撃に… というコメディぽい(or “Kick Ass”)展開も期待していたのだが、そっちの方には行かず、山奥のゆっくりした季節の経過と共に、でも決して曲げようとしない彼女の強さしぶとさ、その裏側で溜まっていく辛さとか疲れがくっきりと滲んでくる。 画面全体のトーンはとても静かで、意のままに愛することを封じられた子供達の怒りと不満が充満している。

でもほんとにいろんな顔、表情の子がいるので彼ら彼女らを追っていくだけでもおもしろくて、目線は少し違うけど“Short Term 12” (2013)を思いだしたりもしたし、”Lady Bird” (2017)の不屈の闘いもあると思うし。 洗脳したり調教したり屈服させたりするのではなく、彼らが生きやすいようにする、生きられるようにする、ていうのはそんなに難しいことなのか、それはなんでなのか? を大人ひとりひとりに問いていかないといけないのだろうか。 自殺未遂をしたMark (Owen Campbell)のことについてCameronが牧師にゆっくりと問い詰めていって泣かしちゃうシーンのすばらしいこと。
神は万能でもなんでもないし。(同様に、国も会社も学校も親もな)

これが93年のアメリカ – まだほんの25年前で、そしてまだこの状態はどこかで続いているのだとおもう。

Breedersのカセット(もちろん”Last Splash”よ)もそうだし、キッチンでみんなして4 Non Blondesの"What's Up?" (1993)を合唱して怒られるとことか、93年だねよねえ、とか。
(いまLincoln Centerでやっている“Summer 1993” て、見たい)

あと、このタイトルって”The Miseducation of Lauryn Hill” (1998) から来たのかしら?

上映後のQ&A、主人公たちは街へ出ていってどうなっちゃうのでしょうか? という質問に、未成年のホームレスのゲイとして扱われるに決まってるでしょ、そんな時代だったのよ、って腹立たし気に返していたのが印象的だった。

あと、キャスティングで最初に決まったのが(”The Little Mermaid”がなくなった後の)Chloë Grace Moretzで、彼女が来るとは想像もしていなかったのでみんなで大騒ぎしてそこからころころ決まっていったのだそう。確かにこれまでの彼女のイメージとは違って少し暗く落ち着いていて、でも目の強さは紛れもなく彼女の。

Sundance、無理してももう少し(本数)見ればよかったかな。
いつかユタの本家のほうも行ってみたい。

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