4.09.2015

[film] 阿片台地 地獄部隊突撃せよ (1966)

4日の土曜日、久々のシネマヴェーラに行ってみる。
こないだの神代辰巳特集は結局ぜんぜん通えなくてしょんぼり反省して、こんどのはちゃんと通わなきゃ、て思った。 けど朝11時のは起きあがれなくて、12時過ぎに行ってみたら結構なひとでふつうにびっくりした。
まあね、いろんなひとが一緒に見るのが映画館てもんだし、それが嫌なら部屋でDVD見ていればいいんだけどさ、なかなかびっくりしたのよね。 普段あんま見かけないからああいう方々とか。

「祝・芸能生活50周年 安藤昇伝説」ていう特集、だったの。

大地の向こうに馬に乗った一団が現れたと思ったら彼らは突然銃撃されて、ひとり逃げる兵隊がいてそれを助ける地元の女がいて、そうやって命からがら逃げたのが安藤昇の少尉なのだが、瀕死でたどり着いたところが地獄部隊で、彼がもともと送られる予定だった最前線にある囚人の部隊で、上官はどSだし、囚人は囚人みたいだし、安藤昇はむっつりして言うこときかなくて、いじめられたり罰うけたり、やりかえしたり、いろんなことがあるの。

でも最前線でいつやられてもおかしくない、という点を除けばあまり「地獄部隊」なかんじはしなくて、みんな歪んで変で、変なりに獄中、じゃない戦線で下着ドロしたり身内の物品ドロしたり楽しく過ごしているし、安藤昇はどこまでも頑固でひとのいうこと聞かずに女に会いに行ってよいかんじになっていたり、義賊みたいなことしてかっこいいのだが、やっぱし幸せは続かなくて、一挙にどかどか攻撃されて、でも信じていた日本軍(菅原文太とか)の援護はこなくてみんな爆撃されて死んじゃうの。たったひとりを除いて。

舞台設定は中国の大地の戦争、なのだが、これを例えば陣地合戦をしている戦後の渋谷の町に置き換えたってぜんぜん違和感なくて、ということはヤクザ映画なのかもしれないのだが、最初と最後のお馬さんのショットは西部劇(片言喋るインディアン - 地元民も)みたいで、つまり戦争映画とヤクザ映画と西部劇のぜんぶ盛りで、つまり極限状態における正義とは、人間の尊厳とはなにか、をおおまじめに問うているのだった。たぶん。

この特集だけBunkamuraでやればいいのにて思った。
いまの渋谷とむかしの渋谷の激突。 おばさん vs やくざさん

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