2.04.2014

[film] Three Hours to Kill (1954)

1日の土曜日の夕方、京橋で見ました。 テクニカラーの色、あの色つきの絵が動くのって本当に好きで、だから『テクニカラー・プリントでみる NFC所蔵外国映画選集』はぜんぶ見たいくらいなのだが、なかなか行けなくてかなしい。

邦題は 『西部は俺に任かせろ』。 恋人の兄を殺した嫌疑をかけられて3年間逃げていた男が戻ってきて3時間で犯人をつきとめてやっつけて去っていく、ていうお話しにふさわしい邦題とは思えないけど、とりあえず。 77分だけどいろいろ詰まってておもしろかった。

Jim (Dana Andrews)が訳ありふうに村に現れるとみんながびくっとしてそわそわしはじめて、3年前にいったいなにがあったのか、という回想に入る。
パーティの晩、Laurie (Donna Reed)と仲良しのJimは、彼女と結婚しようぜとか話しているのだが、彼女の兄はおまえなんかじゃだめだ、とJimをぼこぼこにする。 と、突然銃声が響いて兄は背後から撃たれて死んでた。 疑わしいのはJimしかいないので人々は彼をリンチして木の上に吊るし首にしようとしたところでLaurieが縄を切って彼は命からがら逃げることができて、そこから3年、首に残った縄の痕をなでながら、復讐の鬼と化したJimが帰ってくる。 保安官はとっとと逮捕しようと思えばできるのに、Jimの頼みに応えて3時間だけ猶予を与えて、Jimはかつての友人とか隣人とかを端から追っかけて尋問とかをはじめる。

犯人捜しとか、群衆心理とか、別れたきりのLaurieはどうなった/どうする、とかいろいろ複雑でたのしいのだが、最後は結局 …     現れたとこですぐに逮捕しちゃえばあんなことには ...
Jimのことをずっと好きだった女将Chrisが、自分の家族を盾にぐちぐち戸惑っているLaurieに言い放つ一言がかっこよいったらないの。

あと、灌木のところでぼかすか殴りあうシーンはがさがさと痛そうでよかった。

色では、薄い青色に浮びあがる樹とそこにぶらさがった首つり紐の影がすてきで。


終ってから上の展示室に行って「小津安二郎の図像学」を見ました。

展示の規模はコンパクトながらすごい。 小津の文字とか自筆のいろんな絵とか装丁とか、その線の細さ、線の引き方、色の配置、構図、などなどがそのまま彼の映画世界に繋がり、敷衍されていることがなんの解説もなしでわかってしまう。 監督の美に対する意識や感覚が映画のなかに反映されるのはあたりまえ? のわけなくて、映画はひとりで作れるものではないのだから、それができてしまっていることにびっくり。

暮れ〜正月の神保町シアターは行けないままだったので、13日からのデジタル復元版上映会には行かねば。

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