2.15.2014

[film] Hævnens Nat - Blind Justice (1915)

9日の午後、選挙に行っている間に売り切れてたら最悪なので、まず午前にチケット買いにいって、選挙行って、それから行った。 チケットは取れたけど選挙は最悪だった。
「トーキョーノーザンライツフェスティバル」から、最強のベンヤミン・クリステンセン=柳下美恵組による北欧サイレント上映。 
「魔女」も「密書」もすばらしかったから、見ないわけにはいかないんだ。 「復讐の夜」。

大みそか~新年の雪の晩、お金持ちの侯爵のおうちに赤ん坊を抱えた脱獄犯が忍びこんだところ、侯爵の姪に見つかってしまうのだが赤ん坊のミルクだけ、それだけを、てお願いして、やさしそうな彼女を信じて待っていたら逆にお縄になって14年間牢屋にぶちこまれ、模範囚で釈放されて孤児院に子供を引き取りにいったら誰かが養子に持っていったと言われてがーん(ここでなんとなく先はわかる)。 行くあてもないまま犬ブローカー兼どろぼー団の一員となった彼は仲間が盗んできた品物からかつて酷い目にあわされたあの家のだ、と気づいてわななきながら復讐に向かうの。

サーカスで怪力男をやっていた彼は人殺しの罪で投獄されてて、でもほんとはやっていなくて、彼を匿おうとしたアナも悪いひとではなくて、ほんとうに悪い奴らは出てこないのだが、でもほんのちょっとの縄のかけ違いが復讐の夜を呼んでしまう哀しさ。

でも怒濤のエモの嵐が吹きまくるどろどろぐさぐさの惨劇かというとそういうのではなくて、ものすごくかっちりと構築されたドラマになっている。 冒頭に邸宅の模型を女優さんに見せているシーンがあったが、そういうのとか切り替えの絵字幕のとこも含めて、縄のがんじがらめが14年間の年月を隔てて反転したり、服役後に魂が抜けたようになっていた彼が盗品をきっかけにぱちりと覚醒したりとか、いちいち鮮やかすぎ、それゆえのはらはらが止まらない。

「密書」と似たとこもいっぱいあって、家のセットそっくりだし、床下とかに閉じこめられて絶体絶命だし(わんわんがぞろぞろ出てくるとこはすてき)、家族のために全力疾走があるし、とにかく家族の絆てのはたいせつなんだねえ。

そして、このピアノなしのクリステンセンの映画がどんなふうに見えてしまうのか、今となってはまったく想像もつかなくて、そっちのほうが怖かったりして。

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