2.21.2014

[film] La bataille de Solférino (2013)

中短編3本に続けてそのまま見ました。  あたまの中はすでにVincent Macaigneだらけ。
『ソルフェリーノの戦い』 英語題は"Age of Panic"。

2012年の仏大統領選の開票の日、TVのニュースレポーターをやっているLaetitia(Laetitia Dosch - 役名と実名ぜんいん同じ)はふたりのガキ(すんごいうるさい)をベビーシッター(ぼんくらぽい青年)に預けてアパートを出ようとしてて、そんなときに前夫のVincent(Vincent Macaigne)が子供の面会の日だよね、と彼女のアパートにやってくる。 Vincentには法的に正当な理由があって(一日ずれてたことが後でわかる)、それを忘れていたLaetitiaがわるいのだが、あんな野蛮なやつと子供たちと一緒にアパートに残していくのはぜったい嫌だ、とおもって、ベビーシッターとか階下の隣人とかには何があってもドアを開けないで、と言い残して選挙でぱんぱんのお祭り状態になっている通りのレポ仕事に突っこんでいく。 

でもベビーシッターくんがついドア開けちゃって、それを知って混乱した彼女は子供たちをこっちに連れてくるように指示して、それを知ったVincentはさらに猛り狂って群衆の奥までおっかけてくるの。

選挙でぐちゃぐちゃにごったがえして大騒ぎのパリの雑踏と、そんな現場以上に子供たちのことが心配で混乱して死にそうになっているLaetitiaと、それを更に上回ってごちゃごちゃわけわからなくなって吠えまくるVincentの、軸も層も噛みあわない泥沼の三つ巴の戦いを軸に、フランスにとっても彼らにとっても歴史的にだいじなことになったいちにち、を追う。

国の行く末を決める大統領選挙はもちろん大事だけど、自分たちの行く末だって、子供たちの行く末だってすごくだいじで、それを確実に幸せなほうにするためだったらどんなことだってしたい、しよう、てみんな思っている、みんな思っているその思いがぜんぜんひとつになったりわかりあったりすることなく、乖離して収拾つかなくなっていくところがものすごくおかしい。
にっぽんじんだったらよかったのにねえ(← 中指)。

ほんものの、リアルの選挙開票当日、その爆心地でロケしていて、人々でぱんぱんに膨れあがった道路を真上から撮ったとこが唖然で、そのまんなかに俳優とか乳呑み児とかを平気で放りこんでカメラまわして映画にしているとこにもびっくりする。
けど、そこには悪いほうの作為はぜんぜんなくて、むしろこの暴走と空回りを繰り返す愛の物語の背景としてこれ以上のものはないように思えてしまう。

お話しは選挙の決着がついたあとも続いて、殴りあいの警察沙汰もあったりして、しまいにはLaetitiaの家でVincentとその友人の法律屋(うさんくさい)とその老犬、Laetitiaの今カレと、とかが集まって深夜から明け方までぐだぐだやりあうの。
なんでそんなにタフなの? そんなにも議論が好きなの? とか思うのだが、だんじて負けるわけにはいかないのだ、これは戦争なのだ、と。

あの選挙の騒ぎとか見ると、ほんとに羨ましくなる。  あー都知事選くやしい。



ぜんぜん関係ないけど、これ、どれもこれもものすごーく懐かしい。ぜんぶ染みこんでる。

http://www.vulture.com/2014/02/dave-holmes-modern-rock-hits-1994-beck-loser.html

けど、20年前なんだねえ…

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