7.22.2013

[film] The World's End (2013)

おめでとう、キャサリンとそのガキ。

金曜日は深夜までぱんぱんに仕事で、土曜日の仕事は午前中でおわって、20日の晩に見ました。
Londonの映画の看板はこればっかしで、とにかく見たかったの。

2013年に、なんでか米国コメディ映画の精鋭達が"This is the End"を作り、英国勢も同様に"The World's End"を作る。 どちらも酔っ払いの不良青年・中年達がアルマゲドン - 世界の終り(みたいな事態)に突然遭遇してじたばたする、というバディ・ムーヴィーで、どちらもそれぞれにすばらしくすてきだ。
あいかわらずのほほんと平和なニッポンは、今回の選挙後にいよいよリアル世界の終りがやってくるざまあみろ、ということで。

これ、骨格だけだとJohn Carpenterなんだけど。 なにかどこかがちがうんだけど、なんだろ。

今から20年くらい前の若かった頃、田舎のちいさなホームタウン - Newton Havenでつるんでいた(自分達では自分達を「伝説」と思いこんでいた)5人組がいて、当時成し遂げられなかった街中に12軒あるパブをひと晩で完全制覇する、という野望をもういっかい実現すべく、リーダーのGary "the King" (Simon Pegg)が残りの4人に召集をかける。 すでにふつーの社会人として平穏に暮らしていた彼らは嫌がるのだが、Garyの異様なテンションに押されてしぶしぶ集まって、街に戻って端からパブ制覇を始めるのだが、だんだんにそこの住民の様子がおかしいことに気づいて、それはやがて"Pacific Rim"並みの ....  (ううう書きたいよう)   
"The World's End"ていうのは、12軒のリストの最後にあるパブの名前で、酩酊の果てに辿り着くであろう夢の場所で、つまりそこには。

5人組は、Simon Pegg、Nick Frost、Paddy Considine、Martin Freeman、Eddie Marsanの最強の5人で、これにRosamund Pikeさんが加わる。
最初のほうは割とぐだぐだでどうなるのかしら、だったのだが、進んでいくにつれ、事態の進展と共に、つまりはパブを渡り歩いて酔いが進んでいくにつれてぐいぐい上がっていく。 そのぶちあがりようと来たらとんでもなく素敵でたまんない。  GaryはずっとThe Sisters of MercyのTシャツ着てて、胸にロゴのタトゥーまでしている。 そういうやつ、そういう半端なゴスの酔っ払いが危機に直面したときにどんなふうに暴れだすのか、と。

Edgar Wrightの前作、"Scott Pilgrim vs. the World" (2010) と同様にひとりひとり、ひとつひとつの壁を突破していくにつれて「世界」の掌握、制覇は近づいていく、ように見えて、実のところ「世界」は...  という流れではあるのだが、思春期の若者だったScott Pilgrimに比べると今度の5人組ははっきりと中年で、割と中途半端などんづまりにあって、そこらへんのきつさ、せつなさ、痛さ、みたいのがある。 年寄りなら先短いからそんなのどうでもよいし、若者だったら勢いでやっつけることもできるかもしれない、でも40過ぎたくらいの彼らは、どっちにも行けずにやけになって酔っぱらうしかない、という。

そして「世界」は、"This is the End"がLos Angelesだったのと同じように、こっちはNewton Havenという半径数キロ圏内の「世界」でしかない。
でもそれはまちがいなく「終わり」で、世界が終わるのはここで、他に行きようがない、という覚悟と約束の地でもある。

それにしても、最後の「対決」の叩きつけるような啖呵がかっこよすぎる。 たんなる酔っ払いのロジック、なのかもしれないけど、鳥肌がたった。
過去の失われた時への哀悼、そこに一緒にいた友達仲間、将来への絶望、目先の欲望(とにかくビールくれ)、それらのぐじゃぐじゃが突然現れた不愉快な敵めがけて思いっきりスパークする。

あと、今回も格闘アクションがいいんだよねー。 重すぎず、軽すぎず。 やはりNick Frostのぶっとさと重力に痺れる。

音楽もたまんない。  Happy Mondaysの"Step On"とか、Jamesの"Come Home"とかPulpの"Do You Remember The First Time"とかあの時代の半端にきゅんとくる酔っ払いソングばっかし、 どこのパブに行っても必ずBeautiful Southの"Old Red Eyes Is Back"が流れているし、エンディングは The Housemartinsの"Happy Hour"からThe Sisters of Mercyの"This Corrosion"になだれこむ、この前代未聞さ加減をだれかわかって。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。