7.17.2013

[film] Chasing Mavericks (2012)

7日の昼間、"Angel"を見たあとで、暑さとかんかん照りでしにそうになりつつ、うみ~、なみ~、とか呻きながら渋谷の町を渡ってヒューマントラストで見ました。
もう昼間の1回しか上映しなくなっていて、みんな等しく涼を求めにきたのか、席は最後の2つくらいしか残っていなかった。

90年代の西海岸に実在した伝説のサーファーとその師のおはなし。 
大波(Mavericks)に憧れる若者が師と一緒に体を鍛えて成長して、ついにやってきた伝説のMavericksに突っこんでいく。
お話しはそれだけなのだが、監督が Curtis Hanson(だけど途中で病気のため途中で交替)なので、ざらざらかすかすしたどっちつかずの生活のかんじがよく描けていて、やがて世界の果てからやってくるクライマックスのどでかい怪獣みたいな波のすごさに震える。 

隣の家に住む師匠が Gerard Butlerで、彼も万能の仙人、超人ではなくていろいろ苦労して疲れてて、たまにメル・ギブソンに見えてしまうところがあれだったが、いかにもいそうなかんじ。
大波に臨むにあたって必要なのは、フィジカル、ロジカル、メンタル、スピリチュアル、の4つの「ル」、で、更に水中で4分間息を止められないとだめなんだと。

ぜんぶだめだわ。 大波が来たらしぬわ。

訓練の日々はごく普通に青春してて微笑ましいの。 少し年上の女の子への憧れとかいじめっことかバイトとか母親(Elisabeth Shue)とか。
そういう地味な日常故に大波のすさまじさが際立つ、というより大波は大波として既にじゅうぶんとんでもなくて、そういうのをぜんぶなぎ倒してぶっとんでいくだけ。
そのギャップがあまりにばかばかしくでっかいので、ぎゃくに生活だのなんだの、ぜんぶなにもかもどうでもよくなってしまう。  サーフィンしたい。  … 言ってみただけ。

かなしいことに音がちいさい。 彼らが大波を待って待って待って被りにむかったように、これはもう爆音を待って、再び頭から被って殴られてぐしょぐしょになるしかないわ。

ほのぼのと90年代した音楽もよくて、夜のプールの逢瀬 - 屋根からぽちゃんで流れるMatthew Sweetの"Girlfriend"とか、夜の海のMazy Star(定番)とか、なかなかびっくりしたのが普通のサーフィンシーンのバックでふつーに流れるButthole Surfers の"Pepper"だったり。

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