7.07.2013

[film] 人情馬鹿 (1956)

25日火曜日の晩、時間が空いたので京橋の清水宏特集で見ました。
これも「もぐら横丁」に続いて、題名でなんとなく。

清水宏が溝口健二に誘われて、大映で撮った最初の作品、だそうな。

キャバレー歌手のユリ(角梨枝子)はいろんな客にもてもてで、でも結婚したり落ち着いたりするつもりはぜんぜんなくて、そんななか自動車の営業をしている由男(菅原謙二)は特に熱心で彼女にいっぱい貢いで結婚しようよ一緒になろうよー、て誘い続けている。

そんなある日、由男が逮捕されて、聞くと契約した客の前金をユリのために使いこんでいたのがばれたそうで、ちょっとだけ後ろめたく思ったユリが彼の実家に行ってみると彼の母親がしょんぼりうちひしがれていて、その姿に心打たれてしまったユリは検事のとこに行ってなんとかならないでしょうか? ていう。 検事は、可能性があるとしたら彼の受けとった仮領収書を借用証に書き換えてもらってごめんなさいの示談にしてもらうくらいだね、でも被害を受けた客をぜんぶまわって頭を下げなきゃいけないから大変だよ、と。 ここでユリは人情馬鹿に変身し、やってみせますわ、ていうの。

でもその客達ときたら、世界のミゾグチ作品においてもとびきり金にはうるさい(「祇園囃子」参照)進藤英太郎とか浪花千榮子とかだったりするもんだから大変なの。

いちおう喜劇なので彼女はなんとかやりとげて、でも釈放されてやってきた由男に向かって、誤解しないで、これはあなたのためじゃなくてお母さんにちょっとまともなことをやってあげたくなっただけなんだから、て告げて、忘れておくれよ~♪ てしっとり歌いあげるの。

映画はここまでなのだが、由男が次にやるべきことは再びお母さんに出てもらって孫の顔が見たいよう、て泣いてもらうことだろう。

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