1.05.2013

[film] Les Misérables (2012)

こういうの、年が明けてから見るのはなんだし、と29日の晩、六本木で見ました。
それに、TV-CMとかのコメントによると「感動ってものを超えちゃう」らしいので、ぷぷ、それってどんな境地なのかしら、とか。

ユーゴーの原作を英国人がミュージカルにして、そのミュージカルを英国人がオーストラリア人をメインキャストに据えて映画化した、という伝言ゲームみたいな作品。
もっというと、ミュージカル版での集客(金儲け)に見切りをつけたCameron Mackintoshが"Les Misérables"ブランド戦略の最終兵器(最後の最後まで搾り取れ)として映画化をやってみた、と。
なので、いろんな意味で歪んでしまっていてかわいそうな「映画」、ではある。

だいたいさあ、歌の口パクを排してライブレコーディングで、ってその時点で映画を、映画の技術とその歴史をばかにしてるよねえ。
こうして、歌にフォーカスした結果、カメラはひどい運動神経でさして美しくもないアップばかりを追い、更には演技からアクションを、ダンスを奪った。 それでも、ミュージカルのブランド維持のために、歌はフルコーラスで歌われなければならなかった、と。

もちろん、こんな見方は間違っているのかもしれない。19世紀フランスの波瀾万丈の物語に、かわいそうな運命に翻弄されながらも愛を貫こうとして倒れていった「悲惨な人々」の物語に素直に目を耳を預けるべき、なのかもしれない。
でも、あのがちがちのカメラ、意味不明の横顔アップばかりとか、いろんなもん(歌もね…)が邪魔をするんだよ。 これらは監督の前作 - "The King's Speech"では(そのテーマ故に)うまく機能したのかもしれないけど、ここではうまくいっていない。 主人公たちの激情が、エモが、革命に向かって突っ走っていかないの。

せめてBaz Luhrmannの、愛のためならと恥も衒いもなく古今の名曲をぶちこんであげてみせるあの勢いと魂があってくれたら。 そう、一言でいうと魂がない。

若者も子供も蜂の巣の藁人形にされていって、そのことに対する裁きも決着もなにもない、こんなんで、なんでみんな最後にフランス国旗を掲げて合唱できるのか、そんなんでも「生きる力」が湧いてくるのだとしたら変な薬でもやっているのだとしか思えない。
そうか、だから「あゝ無情」なのか。

あとさあ、歌って踊れるミュージカルスターでもあるHugh Jackmanをあんな無様に地面に這いつくばらせた、ていうだけで犯罪だよね。
それに、せっかくのGladiator vs. Wolverineなのになんでお互い辛気くさい顔で睨みあって低音でぶつぶつ歌うだけなのさ。

あとさあ、ぜんぜん笑えるとこがない。 なんのためにSacha Baron Cohenがいるわけ? 糞まみれになるためだけ?   Tom Hooperって、笑いのセンスまったくなさそうだしな。

これがオスカー獲ったら反乱起こすわ。そいで全員討ち死にするの。

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