1.30.2011

[film] Valerie and Her Week of Wonders (1970)

この週のまんなかは、雪もぐしゃぐしゃだったが他にもいろいろぐしゃぐしゃだった。 
雪は12月に来たやつほどではなくて、住んでいるひとには大変なのだろうが、わたしは観光客みたいなもんなので、たんじゅんに楽しい。

金曜日に、ずうっと行けてなかったMuseum of the Moving Imageにようやく行けた。 
1月15日にリニューアルオープンしてからようやく、今はこういう企画上映をやっている。

Recovered Treasures: Great Films from World Archives
http://www.movingimage.us/films/2011/01/15/detail/recovered-treasures-great-films-from-world-archives/

長いこと行ってなかったので場所(アストリアのへんなとこにあるの)を忘れていて、しかも雪で暗くて方向がよくわからなくて少しじたばたしたが、なんとかなった。

外観からして、入り口からして全然別ものになっていて戸惑う。
中はまっしろのぴかぴかの、いわゆる近未来風、みたいなかんじで、かつての、昔のぼろいオフィスみたいなしなびたかんじはぜんぜんない。
これじゃ、かつての常連だった老人たちは居心地わるいだろうにー。

とりあえず、メンバーになって(これはもう、しょうがないの)、いちおう、ふつうの展示もざーっと見てみる。 ヴァーチャルとか、インタラクチブ、みたいなのがあったみたい(ちゃんと見てやれよ)だが、基本は、あんま変わってなかったかも。
アーケードゲームコーナー(昔のがいっぱいあって自由に遊べる)も前のままだし。でも、ギャラクシアンをやろうとしたら、動かなかったよ。

メイクアップコーナーには、"Black Swan"で使われた「足」とかがごろん、て置いてあった。

あと、SATC(TV版)で4人が使ったメイクアップキットがそのまま展示されていた。4人それぞれでふうん、だったが、わりと普通の、でした。

あとStoreの本関係はもうちょっと充実できるよね。これからだよね?

見たのは、チェコのJaromil Jirešによる”Valerie and Her Week of Wonders” (1970)。 
原題は、"Valerie a týden divu"。 
日本でもヴィデオは出ているようで、タイトルは『闇のバイブル/聖少女の詩』…

いつものように上映作品のProgram Noteがのったプリントをくれる。

日本だとこういうのはゴスロリの文脈でしか捉えられないのが残念(ほんとだれのせいなんだよ!)であるがこれはこれで立派なひとつの作品、上映作品解説にあったように『ホドロフスキーとベルイマンの共同制作によるグリム童話』だとおもった。 
ま、じゅうぶん誤解しやすいか…

野原を歩いていたら初潮を迎えてしまった13歳のValerieが、そこから不思議の国を彷徨ってしまう一週間。宣教師、吸血鬼、魔法使い、生贄、老い、変な鶏、いたち、自分を助けにきてくれるひと、自分を捨てようとするひと、一緒にそばにいてくれるひと、これらのイメージの間をぐるぐるまわりながら彼女は一体どこに行くのか。

よいと思ったのは安易に「聖」とか「闇」とかに集約しやすい方向にイメージを操作していない、小娘の妄想なんてこんなもん、なんて軽々しく扱っていないことで、だからひとによってはわけわからん、になるのかもしれない。

けど、それぞれのイメージの整合や意味などをあまり考えなくても、どれもが綺麗なままにさらさらと流れて行く(たまになんじゃこりゃ、みたいのもあるけど)のでじゅうぶんに楽しめた。 少女映画のクラシック、だとおもいましたわ。

チェコ映画といえば、2月の2日からリンカーンセンターで、"The Fantastic World of František Vláčil"というのがはじまる。 みたいけどなあ…


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